社員をリストラしない、としていた点も、買収調印の時点では「40代以下は残ってもらう」に後退し、それ以降は「追加で2000人の人員削減が必要だ」とシャープに強く迫っているという。
私が興味を持ったのは、4月中旬にゴウ会長からシャープに「関帝像」が送られたということだ。これは三国志に出てくる英雄のひとりで関羽のことだが、後世の人間に神格化され、関帝(関聖帝君・関帝聖君)という神とされた。
関帝は特に華僑(中国本土から外に出て活躍の場を求めた初代、2代目以降の現地定住者は華人と呼ばれて区別される)から守り神として信仰を受けている。日本でも横浜中華街など、関帝廟が祀られているところは少なくない。
ゴウ氏は両親が中国本土から台湾に渡った「華僑」、本人は台湾生まれで「華人」ということになる。極貧家庭育ちの中卒から15兆円規模の大企業グループ総帥となったゴウ氏は、典型的な華僑・華人実業家だ。それゆえ華人実業家であるゴウ氏が関帝像を送ったということは、企業文化的に大きな意味がある。「自分のテリトリー」あるいは「帝国への併合」宣言であり、華人企業化の開始が告げられた。
(この項 続く)
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