いきなり最大市場である首都圏に攻め入ることをせず、地方の中核都市で黒霧島が焼酎飲料のなかで上位シェアを取ってから別の都市に展開する、というものである。
「九州が地場なので、まず福岡を攻め落とそうとしました」
江夏氏は、博多などで徹底したサンプル瓶の配布を朝から出社するサラリーマンに展開したそうである。サンプルにはアンケートがあり、そのアンケートのファックスが来ると、30本ものさらなるサンプル瓶パックをその会社の職場に持参するという作戦だ。なかには何度もアンケートの回答を送ってサンプル・パックを繰り返しねだる図々しいケースもあったそうだが、構わず対応した。
「話題になり、知名度が上がればいいと思ったのです」
こうして「黒霧島前線」は、広島、大阪、名古屋と北上して、最後に満を持して首都圏に攻め入ったそうだ。地域戦略的なマーケティング展開である。「点から線へ」、あるいは「一点突破全面展開」だ。江夏氏は「ランチェスター戦略でした」と明かす。
(この項 続く)
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