ところが、その1時間後にシャープは「鴻海に優先交渉権を与えた事実はなく、2月29日まで交渉を続けるという合意をしただけだ」という発表を行った。これは、台湾人が大切にする「面子」を真っ向から潰すようなことだ。
2月5日の郭董事長とのサシの交渉で、高橋社長が最終決定を出せなかったことは理解できる。シャープは上場している株式会社なので、このような重大事案について取締役会での議決を経なければ、その場で高橋社長が結論を示すことは許されないからだ。
しかし、状況を考えてみれば、年商15兆円規模を誇る世界有数の企業グループの総帥が1週間の間に2度も来社し、機構が提案していた支援策よりも大幅に有利な案を示したのだ。「提案を感謝して、真摯に検討し前向きな結論を目指したい」というような対応が、なぜ取れなかったのか。
(この項 続く)
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