どうしてこれほどまでに、日本企業が狙い撃ちにされているのか。それには、アメリカにおけるフェアネス(公平)への執着、価値観を理解する必要がある。アメリカは移民社会として発達してきた国なので、参加者の間での競争における公平というのが必須の文化として醸成されてきたのだ。カルテルは、殺人や強盗と同程度の、FBIが乗り込んでくるクリミナル(重罪)なのだ。
一方、耕作民族として発展してきた日本は、ムラ社会の価値観として「関係者全員の調和と同律な利益享受」が形成されてきた。そのような文化背景では、談合はむしろ推奨されるような商行為だったわけだ。
この2つのビジネス文化の隔絶を、私は痛感してきた。米誌「フォーチュン」が毎年選出する優れた企業500社のうちの1社であるミード日本法人社長となって、米国への出張を繰り返した。毎年のカントリー・マネジャー会議で本社の社内弁護士が必ず1時間ほどセッションを行い、競合会社との会談、邂逅、立ち話について警告を発していた。
(この項 続く)
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