瀬戸社長が新氏に事前に相談していたら、松本氏の着任はあのような電光石火の展開にならなかったのではないかと私は思っている。というのは、新氏は1990年まで8年間ジョンソン&ジョンソン日本法人の社長を務めていた。松本氏は93年に同社に参画し、やがて社長を務めた。
J&J社で2人の社歴が重なり合っているわけではないが、同じ会社で近い時期にCEOであった経営者同士が意識し合わないことはない。そんな事情を忖度せずに松本氏招聘に走った瀬戸社長の行動は、拙速だったのではないか。
招聘された松本氏は昨年6月の株主総会で代表取締役COOに着任した。すると、その総会で新氏は取締役を退任して最高顧問という職に引き下がってしまった。新しい首相が決定したらそれまでの与党幹事長は入閣に応じずに無役に下ってしまったような現象が見られたのである。
私は、新氏が松本氏にとっての反対勢力だった、と言っているわけではない。しかし、着任したRIZAPで「J&Jつながり」がある有力者から協力体制を取り付けるかたちは取れなかった。
(この項 続く)
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