同書は、いわゆる「持ち込み原稿」だった。アポも取らず新潮社の受付を訪ね、「原稿を持ってきたので、編集の人に読んでもらいたい」と頼んだ。大手の出版社ではこのような飛び込み訪問は珍しいことではないらしく、門前払いをされることもなく出版部の副編集長という女性が出てきてくれた。
もちろん私は知らなかったのだが、Y氏は新潮社の名物編集者で、なんとあの松本清張の担当編集者だった。のちに親しくなって伺ったのだが、「先生方の文章を私が仕上げているのよ」と、つまり添削していると豪語していた。
処女作が新潮社という名門出版社から出たこともあり、それから30年にわたり、いくつもの出版社にお世話になってきた。出版社からテーマを与えられて執筆する場合と、私のほうで出したい内容があって、それを相談したり、場合によっては出版企画書を用意していくつか出版社をまわったこともある。
私が本を出させてもらったところは、講談社、プレジデント社、東洋経済新報社、ダイヤモンド社、日本実業出版社など大手から中堅どころまでさまざまだ。
これらの出版社から本を上梓する場合は、もちろん印税が支払われる。会社の規模などによるが、
(この項 続く)
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