――戦略的にいえば「ドミナント展開の出店」というわけですね。山形県の酒田校のほうはどうなったのですか。
斉藤 酒田校は、私の出身地という思い入れから創業時に同時開校して、私も今でも週に1度は教えに帰っています。しばらくは授業から教室の掃除まで、何から何までひとりでやっていました。しかし今では、ビジネス的な見地から重要な拠点に育っています。
――というと?
斉藤 学校全体のオペレーションの大きな部分を酒田で実施しています。渋谷や自由が丘に電話がかかってくると、実はそれを受けているのは酒田なんです。教材開発やその印刷発注、3000名を超える生徒家庭への発送などはすべて酒田で行っているのです。ITのシステム開発も酒田を拠点として行っています。東京で実施するより、コスト的な優位がありますし、なにより出身地での雇用貢献ができていると思っています。現在酒田事業所には講師のほかに、サポート・デスクとして20名ほどのスタッフに活躍してもらっています。
――それは実に賢いですね。これから人材雇用はどの業界でもますます難しくなってきます。地方でのオペレーションなら、そのような問題にも対処できるでしょう。
斉藤 実は海外経験や特殊なスキルを持つ人たちが、家族の介護や地域への想いを理由に地元に戻ることが多くあります。この絆を大切に、事業を組み立てるようにしています。教育面でも、全国展開を想定したモデルづくりを行う上で、酒田校で多くの知見を得ています。
(この項 続く)
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