第8章「パワー・スクール」は大著である本書の中でも、際だって貧弱な章である。
まず、このスクール(学説グループ)を立てるだけの文献の集合が少ない。そして有力な文献がない。それにもかわらずスクール立てをしたのは、ミンツバーグの思い入れがあったからだろう。
しかし、そのミンツバーグ本人からして、しっかりした論理構成が出来ているようには思えない。例えば冒頭に次のような記述がある。
営利組織の目的が、経済市場において「合法的に」競争をすることであるならば、「政治的」というレッテルは、いわゆる合法的ではない行為に対して用いられるに違いないからだ。言い換えれば、非合法的、ないしは完全には合法的ではないと言うことである。
この引用部分には、論理的に二つの破綻がある。一つは、「政治的」という言葉の対義語が(引用部分の前のところを一生懸命探したあげく)「経済的」という語であると理解できる。「経済的」と「政治的」が対義語-対立概念-であるということへの理論立て、説得に大いに欠けている。
次に、「政治的」であるということが「非合法的」あるいは「合法的ではない」ということの証明である。証明以前に、論理が単純に繋がっていない。
この章全体の貧弱さと相まって、大ミンツバーグはこの章を起草しているとき酔っ払っていたのではないか。何しろ大著なのでそんな時もあったのでは。
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