●次期社長を待ち受ける困難
しかし、順調に成長してきたスシローは、12年9月にペルミラへ約10億ドルで売却されてしまう。ユニゾンはこのエグジットで約540億円の売却益を得たと報じられている。これを機に、ユニゾンから出向・転籍していた経営陣は、加藤氏を除き全員スシローから引き揚げてしまった。ユニゾンからの派遣経営者だった加藤氏も、14年2月に退社に至った。
投資ファンドからの派遣経営者の立場は筆者も経験したが、派遣元だった資本家が撤退してしまうと、次の新しい資本家となじめないことが多い。新たなファンドとしても、別の経営者を自社で選抜して送り込みたいものだろう。そこで加藤氏が阿吽の呼吸で退職したと思われるが、スシローを大躍進させたというトラックレコードを引っ提げ、次の就任先も引く手あまただろう。
一方、新社長として送り込まれた水留氏は大変だ。業績が良くてうまくいっている会社を引き受けるのは、企業再生より難事だからである。前経営陣は同社を日本一にのし上げてしまった。業績は拡大しきって、成長速度は遅くなってきている。
回転寿司の一業態、国内の特定市場という組み合わせのままでは、スシローのさらなる発展の余地は少なくなってきている。この状況で着任したプロ経営者、水留氏はどんな戦略を選択し展開していくのか。とても興味深いところである。
(この項 終わり)
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