新浪剛史(にいなみたけし)CEOは、昨年玉塚氏を国内担当から海外担当に移したときから既に、翌年となる今年の経営権の玉塚氏への禅譲を決めていた、と今回私は思った。
そのために、玉塚氏に国内に続いて海外部門を担当させ、両方での「経営土地勘」を持って貰ったと見る。
要するに、新浪氏はもうローソンを卒業したくなっている。そして、それを行動に移しているのが今回の人事だ。
三菱商事の社員だった(まだ本籍はそちらにあるはずだ)新浪氏がローソン担当となったのが2000年、送り込まれて社長に就任したのが2002年のことだった。振り返ってみれば、現業で10年以上経過している。働き盛りの経営者としては、もうとっくに飽きてしまったことだろう。
この若さでのこんな有能な経営者が次のステージを目指さないわけがない。それが外部転出なのか、三菱商事ワールドの中での別ポジションなのか。今年か、遅くとも来年には新浪氏には新しいタイトルが付くことを予言しておく。
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