2014年4月29日火曜日

孫正義と柳井正 科学的なユニクロ、勝負のソフトバンク(4)

●「科学的経営」と「勝負の経営」

 孫氏は柳井氏が確立してきたファストリのビジネス・モデルを「科学的経営」と呼び、それを学びたいと思ったそうです。一方、柳井氏は孫氏の経営スタイルを「いつも勝負している」、つまりリスク・テイカ―として認識したと言っています。さらに他のベンチャー経営者と比べて「孫さんには志がある」と評価しました。

 孫氏の志の立てよう、持ちようは、確かに若い時から突出していました。20代でソフトバンクを創業した当時、社内でミカン箱の上に立ち、アルバイト社員たちに向かって「当社は将来、その売り上げを豆腐と同じように数える会社になる」と、演説したそうです。その心は、「丁=兆」ということでした。しかし、この演説を聞かされた当時の社員は感心するどころか、呆れて退社していってしまったそうです。

(この項 続く)