2012年11月21日水曜日

7S 「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(14)

7Sの下の から は『エクセレント・カンパニー』で「超優良企業の条件」と結論されたものであり、A) から F)は『ビジョナリー・カンパニー』で「時代を超える原則」とされたものである。

『ビジョナリー・カンパニー』の有効性については、フィル・ローゼンツワイグという学者が大きく疑問を提出している。
 http://yamadaosamu.blogspot.jp/2012/10/blog-post_16.html 

『エクセレント・カンパニー』に関して、私は自著『タフ・ネゴシエーターの人を見抜く技術』(講談社、2001年)で企業事例のその後を検証して、立論が無効だとした。その後、著者のトム・ピーターズ自身が
「データをねつ造してさっさと書いたお手軽プロジェクト(hip-pop project)だった。あんな騒ぎ(ビジネス書として歴代世界最大のベストセラー、600万部を売り上げた)になるなんて思ってもいなかった」(Fast Company誌、2001年5月号)
と告白してしまった。

(この項 続く)

2012年11月20日火曜日

7S 「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(13)

本日はマッキンゼーが提唱した7Sについて。
ソフトの4S
①Shared value (共通の価値観・理念)②Style(経営スタイル・社風)③Staff(人材)④Skill(スキル・能力)
ハードの3S
⑤Strategy(戦略)⑥Structure(組織構造)⑦System(システム・制度)


7Sについて述べる前に、下の二つのグループのステートメントを見ておいて欲しい。 
     行動を重視する
     顧客に密着する
     自主性・企業家精神
     人を通じての生産性の向上
     価値観に基づく実践
     基軸から離れない
     簡素な組織
   厳しさと穏やかさの両面を持つ

A)     社運を賭けた大胆な目標をもつ
B)     カルトのような強力な企業文化の構築
C)     実験精神とリスクを厭わない姿勢を養う
D)    人材を育成し、生え抜きの経営陣とする
E)     決して満足しない
F)    意思決定と行動を導く基本理念を持つ


(この項続く)

オリンパス 菊川剛元社長 覚悟がなかった経営者

オリンパスの粉飾決算事件第2回公判で、菊川被告は
「公表すれば倒産する確率が極めて高く、決断が出来なかった」
と述べた。このことは、本人の経営者としての意思決定力の弱さだったろう。

しかし、発表について前任2社長に提案したら猛反対されたとも述べたという。弁解するのに事欠いて何を告白しているのか。こちらの証言については、私はとても心外に感じた。

前2社長とは、その隠蔽を実施してきた直接の利害関係者である。というか、そのようなことを主導した、会社に対しての悪人だ。そのような人たちに相談?おかしい!

経営者は孤高で孤独な決断を迫られる存在だ。菊川被告は社長就任して、その覚悟が無かったのだろう。そして最後まで無かった。経営者失格の人だった。

2012年11月18日日曜日

新将命(あたらし・まさみ)特別講師、経営者ブートキャンプ 登壇


経営者ブートキャンプ第6期の第2講が11月17日(土)に。
午前は参加者が4人グループに分かれて、「3年戦略策定」討議の第1回目セッション。「3年目標」と「重要経営課題」カードを準備してきて貰って、他の3人とファシリテーターに提示。議論をした。各40分。

午後前半、特別講師の新将命氏が出講してくれた。今回は「マネジャーとリーダーの違い」について1時間話して貰い、その後まるまる1時間、参加者からの質問をベースにして話して貰う。私が司会させて貰ったのだが、質問が途切れることなく、さすがブートキャンプ、と感心。

最後の2時間は、課題図書の報告と討議。今回の本は『フォーカス』(アル・ライズ)。サブで読んで置いてもらったのがランチェスター戦略本。期の始めにマーケティング本を読んで貰ったのは、もちろん「三年戦略策定」の参考として貰うためだ。

上位戦略と下位戦略「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(12)

2012年9月18日に「ヤマダ電機満足度最下位訴訟」というブログ記事を書いた。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2012/09/blog-post_18.html

2012年度の「業界別アフターサービスランキング」(日経ビジネス2012.7.30号)で、「家電量販店」の分野で今年もヤマダ電機が最下位だった。一方シャープは、TV、冷蔵庫、クーラー、HDDなどの「家電製品」の各分野で軒並み第1位である。

顧客満足度で最下位のヤマダ電機が業界の勝ち組横綱、一方満足度最高のシャープは存続の危機にある。

つまり、戦略には企業全体として上位戦略、下位戦略がある、ということだ。機能別戦略や部門戦略などの個別戦略の中でも、何が当社全体にとって重要なのか、それを経営者は意識しなければならない、見極めなければならない。さもなければ「合成の誤謬」の轍を踏んでしまう。

(この項 続く)

2012年11月16日金曜日

シャープ「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(11)

シャープ社の記事を書こうとして、ロゴを引いてきたら、それにかぶっているテーマ・コピーが「目指してる、未来がちがう。」ですと。皮肉を言うのも気の毒な。

今年6月16日(土)に「シャープディスプレイプロダクト社佐治寛社長スティーブ・ジョブスとの違い」というブログ(下記URL)に「佐治社長は退陣した方が良い」と乱暴なことを書いたら、その次の週に解任されてしまったという経緯があった。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2012/06/blog-post_16.html

小ブログがそんなことを引き起こしたことではもちろん無いが、同記事のアクセス数がその月では大変多かったのも事実だ。

さて、シャープ・ヤマダ電機・顧客満足度という三題話で経営戦略を語ろうとしているが、次回となる。
(この項 続く)

2012年11月13日火曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(18)

井上和幸特別講師が「人材マネジメントを科学する」
 
井上さんの講義の中で特に興味を集め、参加者からの質問をこなしきれなかったトピックがあった。それは「FFS理論」というものだ。100以上から成る性格観察についての定性質問について該当度合いを定量的に答える。その集積から、ビジネスパーソンは大きく4つの類型に分類できる、というものだ。4っつのタイプとは次のようなモノだ。

 リーダーシップ(AD型)
 アンカー(AE型)
 タグボート(BD型)
 マネジメント(BE型)

この理論では、どの類型が優れているかということではない。ビジネスの状況により、どのタイプが一般的には適しているタイプとなるか、そしてチームの中でそれぞれのタイプの相性がある、ということだった。個別のチームに特定の任務を与えるような場合、組成員のMixをどのようにすれば、チーム効率が最大化となったり、あるいは最悪となるか、ということを指し示している。クラスの経営者の皆さんが興味を持ったのは当然と成る理論だった。
 
(この項 続く)

2012年11月12日月曜日

当ブログ 1,000記事 達成

拙ブログ、この記事が1,000回目となった。読んでくださる皆さんがいらっしゃるので、続けてこられた。心から御礼申し上げる。

ほぼ毎日書いているので、3年近く、「本当に役に立つ経営戦略とは」との視点で評論したり、書評を繰り広げてきた。取り上げたビジネス・経営書は150冊以上となり、「書評サイト」としても紹介して頂くようになってきた。

このブログを書き続けていた間、幸い健康に恵まれ、講演やセミナー、研修指導などで病欠変更などが1回もなかった。これからも精進を続け、次の1,000回を書き続けたい。経営者やそれを目指している読者に少しでも参考にしていただければ幸いだ。皆さん、ありがとう。これからもよろしく。

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(17)

井上和幸特別講師が「人材マネジメントを科学する」
 
井上さんの強みは、何と言っても(株)経営者JPの創業社長で、現役経営者であるということ、そして業務内容が経営者と経営幹部専門の人材コンサルティング、つまり「社長のヘッドハンター」というところにある。しかも、その異名にはおまけに「日本一の」という冠詞がついてまわっている。

「日本一の」というのは別に僭称でも何でもなく、人材会社の最大手リクルート社が制定して毎年顕彰している「優秀人材会社法人」と「同コンサルタント」の両方で井上さんは最優秀として表彰を受けている実績がある。それも昨年の話だ。いまをときめく「日本一の社長ヘッドハンター」と周りが囃すのは伊達ではない。

経営者の能力、資質の見極めについてはこれ以上の人はなく、いわば「幹部人材界の中島誠之介」であり、さらに経営者の能力開発と育成については私同様情熱を持っている。そんな、バリバリ現役の井上さんは経営者ブートキャンプでも各期でいつも異なるトピックや知見を披露してくれて、参加者や私を飽きさせることがない。今回も「人材マネジメントを科学する」と題して、とても興味深い講義をしてくれた。

(この項 続く)


2012年11月11日日曜日

SMBCコンサルで「部長力強化」1日セミナー 出講

11月10日(土)に標記タイトルで出講。
SMBCコンサルでは、定番的に数ヶ月毎にこのタイトルで実施してきている。部長を対象にした公開セミナーは、他のメガバンク系総研各社でも定期的に実施させて貰っている。

11月のこの日は、午前中は「部長のための部門戦略の立案法」、そして午後は「部長のためのコミュニケーション強化術」という、二つのサブ・テーマで話させて貰った。次は来年2月16日(土)に同内容で実施する予定。

初任管理職はいざ知らず、部長クラスの上級管理職は能力開発が進んでいる人たちなので、なかなか研修のテーマ、機会を見つけられないことと思う。そんな部長さん達にお役に立てるセミナーとしたい、といつも考えている。

2012年11月9日金曜日

法師温泉 日本ファミリービジネスアドバイザー協会(2)

設立発表会で基調講演をしてくれたのは、石川県の法師温泉で第46代当主となる法師善五郎氏。76才。

日本はファミリー・ビジネス大国で、創業200年、300年以上の企業の数では世界一。同温泉も一時は「世界最古のホテル」としてギネスブックに収載された。なにせ、創業1,300年。同温泉より古くて存続している企業がさらに数社あったということだ。
ご長男の第47代目専務が何と、9月12日に亡くなられ、49日を済ませて本日上京した、というお話しに会場は声を失った。
「でも第48代目(お孫さん)がおります」
歴史に堪えてバトンを渡していくオーナー経営者も声を振り絞った。

(この項 終わり)

2012年11月8日木曜日

中国銀行系で経営戦略立案セミナー


岡山経済研究所(中国銀行のシンクタンク)が「後継者・若手経営者育成セミナー」を開講している。月1回で、全8講。第3講として、

「戦略の『立案』と『実践』なくして成長なし~実践!有効な『経営戦略』はこうして作る~」

というタイトルで1日セミナー。正規受講者の他に、前年以前のOBなどが来てくれて盛況。地方の若手経営者の皆さんに有益なプログラムを同研究所は提供されていると思う。

2012年11月7日水曜日

パナソニック津賀一宏社長 大赤字 経営責任も (2)

業績悪化について発表した記者会見で、厳しい表情を見せるパナソニックの津賀一宏社長=31日午後、東京・東新橋
10月31日の発表ではパナソニック津賀一宏社長は、
「創業100周年となる2018年までには新しい企業目標を見つけ出したい」
と語ったとされる。

この記事を見て私は失笑してしまった。年次中に下方修正という形でこんな大赤字を出した経営者が、どうして後6年もその任にとどまっていられると思うのだろうか。いやしくも公開会社である。

6年後に「目標の発見」?私が教えている経営戦略立案では、3年というのが経営戦略の「実践時間枠」である。6年も掛けて戦略目標を設定するようでは、その6年間の間にどんな優良会社も失速、市場退場せざるを得ない。そうならないためには、津賀社長に退陣して貰うしかないはずだ。パナソニックは、社長人事に失敗したようだ。

津賀一宏社長の再生戦略は「家まるごと」だ(2012/2/29の拙ブログ)
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2012/02/blog-post_29.html

(この項 終わり)

日本ファミリービジネスアドバイザー協会発足(1)

日本ファミリービジネスアドバイザー協会の設立発表会に招かれ、11月2日にその催しに出かけた。http://fbaa.jp/

「同族企業」のことを欧米の経営学ではファミリー・ビジネスとよぶ。世界中で、法人の圧倒的多数はファミリー・ビジネスであり、その他の政府系や完全に創業家の手を離れた株式会社の方が圧倒的少数だ。

株式公開して、一般株主や投資家がその大多数を所有するに至った上場企業でも、少数株主の筈の創業家が実質的なガバナンスを保持しているケースは枚挙にいとまがない。トヨタしかり、タケダしかり、カシマしかりである。

今回の発足に当たっては、私の友人である武井一喜氏(WellSpring代表)が理事事務局長に就任した。同協会の発展を心から願っている。

(この項 続く)

2012年11月3日土曜日

パナソニック津賀一宏社長 業績下方修正 「普通の会社でない」 (1)

業績悪化について発表した記者会見で、厳しい表情を見せるパナソニックの津賀一宏社長=31日午後、東京・東新橋
パナソニック津賀一宏社長が、10月31日、今期の業績の下方修正を発表した。昨年に続き、7千億円を超す赤字となるという。この2年間だけで、その前の20年間の利益を帳消しとした。

津賀社長が就任した2月に、私は下記のブログで「再生戦略は『家まるごと』だ」、とした。
http://yamadaosamu.blogspot.jp/2012/02/blog-post_29.html

あれから1年も経たないうちに、31日の発表で同社長は「当社はデジタル家電の負け組だ」とうめいた。そして、「普通の会社ではない」。

すべての会社は「普通」ではない。すべてそれぞれ特徴がある。この2つのコメントから、津賀社長はもう相当追い詰められていると私には読める。大会社のCEO,大リーダーが意欲があるうちには「うちは負け組だ」なんて言えるはずがない。早期の辞任か、最悪の場合自殺なんてことも有り得る、メンタル状況ではないか。

(この項 続く)

2012年11月2日金曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(16)

ユニクロ柳井正社長の経営を掘り下げ

第5期で採用した課題図書は次のようなモノだ。
  『プロフェッショナルマネジャー』(プレジデント社、2004年刊)ハロルド・ジェニーン著。今は無い、アメリカの大手コングロマリットITT社を率いて14年半の間増収、増益を続けた名経営者の名著。
ユニクロの柳井正社長が巻末に解説を書いている。これが、本文の1章分と同じくらいの長さがあり、柳井社長が「私の経営の教科書」と入れ込んでいる。
 
 『柳井正 未来の歩き方』(大塚英樹、講談社、2010年刊)
 今期は、「柳井正の経営」の理解を目指し、課題図書を組み立てた。ちなみに前期では星野リゾート「星野 佳路(ほしのよしはる)社長の経営」を取り上げた。

 ユニクロの経営に関する、ビジネス誌の特集記事5点。
 『超実践的経営戦略メソッド』(拙著、日本実業出版社、2011年刊)
 最後に私の本を使って、ユニクロの「新ビジネスモデル経営」を解説する(次講で)。

(この項 続く)

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(15)

課題図書はこう読み込む!

一方、正テキストの方は事前準備が課せられる。一冊の本の中で、一部分がその対象と成り、典型的には重要な2章を私が指定する。どんな章を選定するかというと、「優秀な経営者になるために参考と成る」という基準からだ。

当該2章については、それぞれ1名が指名され、次回の「課題図書報告」クラスで報告する。大学のゼミでの輪読発表と思えばよい。今回も、一人20分報告して貰い、二人の報告が終わった後で、クラスで討議した。

発表者以外は、「課題図書感想文」という書式があり、その書式に沿って事前に書き込んでくることが求められる。ただし、その書式も1ページ以上書いてはいけない、という制約がある。「経営者はいつも重要なことにフォーカスせよ」ということで、やみくもに時間を使うのは正しくない、という私の考えからだ。

(この項 続く)

2012年11月1日木曜日

「G-FIELD EBISU」(ジー・フィールド・エビス) 公式オープン

経営者JPよりのお知らせ転載。
 
「G-FIELD EBISU」は、“志高き経営者・リーダー達が結集するリアルスペース”です。経営者JPオフィスビルの7Fに設営しましたセミナー・イベントスペースです。恵比寿発信の刺激的な場として、当社主催セミナーや各種交流活動を実施していく予定です。
お楽しみにしていただければ幸いです。
◎「G-FIELD EBISU」オフィシャルサイトを公開いたしました!
「G-FIELD EBISU」の位置づけ、施設間取りやスペースのPhotoギャラリー等ご覧いただけます。
ぜひ、アクセスください。
http://www.keieisha.jp/gfe/

セミナー&イベントスペース「G-FIELD EBISU」オープン記念講座
■2012年11月13日(木)開催
ビジネスに関わる法律上の疑問・悩みを一挙解決!
「社長のための、よく分かる法律相談所」
http://www.keieisha.jp/seminar121113.html
講師:
白川敬裕弁護士(原・白川法律事務所)
北周士弁護士(きた法律事務所)
清水陽平弁護士(法律事務所アルシエン)

■2012年11月29日(木)開催
明日のビジネスを生みだす事業開発力を身につける!
「事業開発リーダー養成講座」
http://www.keieisha.jp/seminar121129.html
講師:細谷功氏(ビジネスコンサルタント/株式会社クニエ コンサルティングフェロー)
・ 新規事業を考えている方、現状業務を新しい視点で見直したい方
・ 上記を特に「ビジネスモデル」の切り口で考えたい方

■2012年12月12日(水)開催
取引先から、部下・従業員から、消費者・ユーザーから「10倍モテる!」
社長・リーダーのための「会話力&プレゼンテーション力養成講座」<基本編>
http://www.keieisha.jp/seminar121212.html
講師:野村絵理奈さん(株式会社KEE'S 代表取締役)
取引先を、部下・従業員を、消費者・ユーザーをぐっとツカむ、「モテる」自分に変身!
元放送局のアナウンサー講師・野村絵理奈さん(株式会社KEE'S 代表取締役)に
放送現場で培ったプロのノウハウを基に、プレゼン、商談、
ビジネスコミュニケーション評価が確実にあがるメソッドを伝授いただきます!

『ランチェスター戦略 (ビジネスCOMIC)』(福永雅文) 書評157

PHP研究所、2009年刊。

ランチェスター本というのは、恐らく数百冊出ているはずで、マンガによる解説書も数冊出ている。総本山、日本ランチェスター協会の田岡佳子理事長までマンガによる解説本を出しているくらいだ。

本書の著者、福永氏も同協会出身。本書の特徴は、バー「ランチェスター」でアルバイトウェイトレスをしている星野ランという女子大生を主人公として、彼女に助言を求めて大躍進する経営者のエピソードとしたこと。

「局地戦」や「一点集中主義」、「差別化」などのおなじみのエピソードがあり、各章末に解説が数ページ付く、という構成だ。マンガと言っても、というよりマンガの方が分かりやすいところもあり、なにより、購読時間が圧倒的に短縮される。ランチェスター本の中でも売れ筋がトップに近いことも首肯できる。

2012年10月30日火曜日

経営者ブートキャンプ 第6期 盛況にキックオフ

10月27日(土)に第6期の第1講が行われた。経営者JPの新セミナー・ルームで賑々しく開講。残念なことに、寸前に1名がスケジュールの都合でキャンセルとなり、14名で出発。

14名の中の6名が再受講者。中には、何回も出席してくれている参加者もいる。経営者(あるいは幹部)が集まる、経営者の梁山泊としての位置付けは期を重ねる毎に強まってきている。

2012年10月27日土曜日

『ゲーム理論 (図解雑学)』 渡辺 隆裕 書評156

ナツメ社、2004年刊。

イラストや図表を多用して、ゲームセオリーを分かりやすく説明しようとしている。よく分かったことは、
「ゲームセオリーはやはり経営戦略としては役に立たない」
ということだ。

経営を巡る要素をあまりに抽象化しているし、プレイヤーが全員が合理的な判断、行動をとるなどあり得ない設定に基づいている。数学者が例えば「フェルマーの最終定理」とか「ABC予想」にうつつを抜かすのと同様な、単なるロジック・ゲームだ。

現代のゲーム理論の最大権威とされるアリエル・ルービンシュタイン(イスラエル)自身が、今夏
「ゲームセオリーは実用には全く役に立たない」
と、コメントしている。


経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(14)

課題図書はこう読み込む! 当プログラム「無敵の講師陣」の本を読む。

 高野登講師 『リッツ・カールトン一瞬で心が通う「言葉がけ」の習慣』(日本実業出版)
 新将命講師 『経営の教科書』(ランダムハウス講談社)
 井上和幸講師『あたりまえだけどなかなかできない係長・主任のルール』(アスカビジネス)
 出口治明講師『思考軸を作れ』(英治出版)
 山田修 『雇われ社長のプロの仕事術』(ぱる出版)
『超実践的経営戦略メソッド』(日本実業出版社)

8月4日に配布したのは、副テキストとしての『思考軸を作れ』(次回出口講師のご著書)と、正テキストとして私の『超実践的経営戦略メソッド』の2冊。
(この項 続く)

2012年10月26日金曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(13)

課題図書はこう読み込む! 当プログラム「無敵の講師陣」の本を読む

経営者ブートキャンプでは、課題図書として正テキストと副テキスト計2冊を毎回配布するのが慣例である。副テキストの方は、次回の特別講師の著書を事前配布して、読んできて貰う。読書感想文の作成とか、報告などの課題は無い。ただ、読んできて貰う。

しかし、スピーカーの著書を読み込んだ上でその方のお話しを伺う、というのは効果もありかつ贅沢なことだ。実際この方法により、当日のQA討議が非常に活発に出ている。私以外の特別講師の場合、講義を1.5時間、質疑を0.5時間、計2時間のセッションとしている。

ちなみに、第5期での私や特別講師陣の先生方に対応して選んで課した事前図書副テキストは次の通り。いずれの先生方も、複数どころか多数の著書をモノされている方々である。そのような経営者の方と、ブートキャンプでのクラスでのように直接的で真摯なやりとりが出来ることは滅多にあることではない。

(この項 続く)

2012年10月25日木曜日

iPadミニ  終わりの始まり

iPadミニが発表された。タブレットで他社が7インチ画面の分野で先行しているので、そこへのダウンサイズ化参入ということだ。スティーブ・ジョブスが死んだ後、最初の主要な新製品ということでもある。

ジョブス時代の新製品群と比べて、iPadミニは下記のように「チンケ」な性格を有する。
1.他社が確立した分野への後期参入。
2.他社の同様製品と比べて「画面がxx%(一桁)大きい」など、既存機能での差別化を訴えている。iPhoneやiPodの時のような革新性がない。
3.「品質がよい」とのことで高価格を設定。革新性が無いのに、性能の差別化だけで2倍の値付けが受け入れられるのか。

iPadミニが失敗作だとは思っていない。ジョブスの時代のような革新性や圧倒的な差別点を欠いてきている。中期的には、競合の製品と横並びになっていくことだろう。そして、メーカーとしても全体的に、現在のような突出した存在ではなくなっていく。失敗ではないが、「一人勝ちの終わり」の始まりだ。ジョブスの偉大さを締め括るストーリーとなってきた。

「開発生産性のディレンマ」 生稲史彦 国際戦略経営研究学会 戦略経営理論研究会

10月24日(水)に、上記の発表会に出席。生稲史彦氏は筑波大学 システム情報系 准教授。副題に「日本のゲーム産業の競争力」とあり、ゲームソフト業界の開発力の分析。任天堂のファミコン時代から現代のSNSやスマホでのオンライン・ゲームまでの推移を、「開発生産性のディレンマ」として説明。成功したゲームが定番となったり、シリーズ化して来て、大胆な新開発が低調となってきた状況を理論化しようとした。

私は、WKKジャパン社の社長時代、セガTVゲームの最大の委託生産先だったことから、同社がどうして任天堂、ソニーとの三社鼎立競争から振り落とされたのか、と質問。生稲准教授の見解は、日本国内での業界対応で後れを取ったのでは、とのこと。
もう一つした質問は、ゲームソフトには、テクノロジーと「プラットフォーム(ゲーム機やスマホなどのハード環境)」との対応だけでなく、文化としての側面の強さがあるのではないか、ということ。「クール・ジャパン」ということだ。生稲氏の見解は、コンテンツはグローバル化している、ということだった。そうかな?

2012年10月22日月曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(12)

「伝説の外資経営者」新将命(あたらし・まさみ)特別講師

「企業を伸ばすリーダーの条件」と題して、1.5時間お話しいただき、さらに30分間受講生からの活発な質問に答えていただいた。 話の流れとして、


- 勝ち残る企業創りの流れ
- 人ザイの4タイプ
- リーダー人財能力の2本柱
スキル
マインド

最後に、課題図書として『経営の教科書』(ランダムハウス講談社)が配布された。特別講師の著書は、講義の副読本として配布され、特に感想などの提出を求めない。しかし、「話を聞き、その先生の本を読む」という形でとても身に沁みていくものである。

(この項 続く)

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(11)

自社3年戦略の第4ステップをグループ討議
3限目はグループ討議。4人ずつに分かれて展開。  三年経営戦略策定の作業は、「解決策」ステップを討議。

各自30分ずつの持ち時間で、前講で確定した3つの重要な「自社経営課題」のそれぞれに対しての「3つの有効な解決策」カードを示し、その選定理由を説明。 他の参加者の質問及び提言を受ける。

グループ討議は、最終発表会に向けて計3回を組んでいる。第2期まではグループを固定して討議してきたが、第3期からはその都度グループの構成員を変更して、全員が全員の経営事例に当たれるようにしている。また、講師も私自身を含めて、3回の内少なくとも1回は全員の指導を担当できるようなローテーションとした。

経営者ブートキャンプの一大特色である「ミューチュアル・メソッド(互いの経営事例から学ぶ)」を最大限に生かすための方策である。

(この項 続く)

2012年10月20日土曜日

森口尚史氏、IPS細胞騒動、人格障害だったNさん

森口尚史氏
IPS細胞を使って人体手術を行ったと主張している森口氏、、。同氏の報道を見るに付け、Nさんのことを思い出す。

Nさんとは、昔とあるところにあったテニスクラブで会員同士となった。はじめにランチに行ったら
「三菱商事に勤めている。前職は三井物産だった。実は最初は住友商事だったが、野村総研を経て物産に入ったのだ」
と言われて魂消た。
「こんな経歴は当社でも私だけだ」

雨の日、彼がトレンチ・コートで現れ、それを褒めたら
「今、ロンドンから帰ってきた。空港から直行してきたんだ」
野球の話となったら、Nさんは慶応大学の2部を出たということだったが
「野球部時代、法政との親善試合で江川からホームランを打った。公式戦ではないので、記録されなかったのが残念」

森口氏が報道陣から追求、叱責されているのになぜか恍惚としている。Nさんは人格障害だった。「劇場型虚言癖」とでもいうのだろう。

橋下市長 週刊朝日は廃刊した方が

週刊朝日の記事「ハシシタ 奴の本性」も読んだ。橋下市長の、記者会見における朝日新聞記者とのやりとりも読んだ(下記URL)。

橋下市長の喧嘩上手に大いに喝采。弁護士だから法務知識はあるし、TVタレントだからアピールの仕方を知っている。何より、怒りと信念を上手にコントロールして自己露出をした。名指しされた朝日新聞記者は、「別会社だ/編集権も別だ」などと弁解していたが、ここは市長の「100%出資しているだろう、同じグループだろう」という常識論が当然となる。

あの記事はタイトルからして、公人に対するものではない。その内容により、メディアである同誌に対して大変な非難、つまり言論活動に対する反発を生んでしまったことは、言論機関として責任が重い。つまり、言論の自由への危機を自ら招来してしまったと言える。

昔、「ホロコーストが無かった」という妄言記事を出してしまったマルコポーロ誌を文芸春秋社は廃刊とした。朝日新聞本社は、週刊朝日を廃刊することにより、言論機関としての、ことの重大さの自己認識を示すべきだろう。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121018/plt1210181139005-n1.htm

2012年10月19日金曜日

『ビジョナリー・カンパニー ―』 ジム・コリンズ他 書評155 (2)

同書が掲げた6つの重要項目は次の通り。

ジム・コリンズ
  

A)     社運を賭けた大胆な目標をもつ

B)     カルトのような強力な企業文化の構築

C)     実験精神とリスクを厭わない姿勢を養う

D)    人材を育成し、生え抜きの経営陣とする

E)     決して満足しない

F)     意思決定と行動を導く基本理念を持つ
はじめにAからEまでの5つが掲げられ、最後の方でFが総括のようにして追加された。
これらの立論のすべてのプロセスを、『なぜビジネス書は間違うのか』(書評154)の様に、ハロー効果だからとして否定しきってしまうことは難しいだろう。

 
それより問題は、著者達と同じデータを使っても、上記6つ以外の結論を持ってきても差し支え無いということだろう。まことに経営には絶対解など存在しないのだ。
 
(この項 終わり)
  
   

 

2012年10月18日木曜日

『ビジョナリー・カンパニー ―』 ジム・コリンズ他 書評155 (1)

日経BP出版センター、1995年刊。

書評154『なぜビジネス書は間違うのか』(フィル・ローゼンツワイグ、日経BP社)が主として批判したのが本書だったので、再読。

ローゼンツワイグが批判したロジックというのは、次のようなもの。
「成功した会社は、成功したというだけでハロー(後光)効果を発揮する。だからそのような会社に関して集めたデータの大部分は無効で、そこから引き出した結論は妄想だ」

『ビジョナリー・カンパニー』を支えたデータはしかし、主観的なものだけではなく、財務やら組織の変遷やらファクト・ベースのものも多く、ローゼンワイグの主張は強引に過ぎる。それより本書で私が問題だと思うことは、

(この項 続く)

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(10)

2時間目は、課題図書の報告。
 
第1報告は、『プロフェッショナルマネジャー』(ハロルド・ジェニーン)。ただし、いつものことだが私が指定した部分だけ。本書は前講でも1章を精読してもらった。今回は「付録」にある柳井正氏の解説を読む。この、柳井氏の解説というのが30ページもある結構なもの。

この部分を指定したのは、ハロルド・ジェニーンの経営哲学を読んで貰うというよりも、本書を「自分の経営の最大の教科書」とよんではばからない、柳井正氏の経営哲学の根っこに踏み込み始めよう、という趣旨。

第2報告は、『柳井正未来の歩き方』(大塚英樹)の第2章「経営とは矛盾を解決すること」。

それぞれの報告者が20分ほどまとめてきて、他の参加者との討論各15分ほど。次回の課題は、『柳井正未来の歩き方』の第4章「青年柳井正も落ちこぼれだった」と、ユニクロに関する雑誌記事4点。前期は星野リゾート星野社長の経営を勉強したが、今期は柳井正の経営を追ってみる。

(この項 続く)

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(9)

7月7日(土)に、第5期の第3講を迎えた。

打開のために、3月31日に全社朝礼を挙行。「モチベーションのターンオーバー」を図った(そして実現した)私の「コミュニケーション」とは、、、。

「モチベーション」を高めるには、一般的に3つの方法がある。
- トップからのコミュニケーション
- コンペンセ-ション (報酬や労働環境の改善、あるいは期待)
- トレーニング (自己実現、成長機会と社員はとらえる、優秀な上司の存在も同じ)

「意思決定」で重要なことが3つある。
- 早く決めろ!
- 自分で決めろ!
- 「ジグザク意思決定」で行け!


(この項 続く)

2012年10月16日火曜日

『なぜビジネス書は間違うのか』 フィル・ローゼンツワイグ 書評154(2)

フィル・ローゼンツワイグ
著者が主として批判した二書の内、前者『エクセレント・カンパニー』については、私自身が2001年の旧著で批判した。後者、そして本書の主要なターゲットとなった『ビジョナリー・カンパニー』についても、ローゼンワイグは前者と同じ「ハロー効果の働きによる原資料の無効」を主張している。

「ビジョナリー・カンパニー」とされた17社について「その後の業績の検証」をしたところは、私が「エクセレント・カンパニーのその後」で行ったのと同じ手法。異なるのは、「エクセレント・カンパニー」とされた14社(邦訳で残された事例)では、私は「そのうち10社については消え去ったか、他社に吸収されたか、4社を残して見る影もない」としたが、ローゼンツワイグによる「ビジョナリー・カンパニーのその後」は、S&P500(つまり大手企業)の平均と対して変わらない凡庸さ、ということだ。

さてさて、「エクセレント」にしても「ビジョナリー」にしても、選出手続きの学的正確さに疑義が出されたわけだが、それでは2書が提出した「理想の会社像」はすべて無効となるのだろうか。それについては別の機会で書くことにした。

(この項 終わり)

2012年10月15日月曜日

『なぜビジネス書は間違うのか』 フィル・ローゼンツワイグ 書評154(1)

日経BP社、2008年刊。著者はヨーロッパの著名ビジネス・スクールIMD(スイス)の教授。

副題に「ハロー効果という妄想」とあり、原題もThe Halo Effectという。ハロー効果とは「挨拶の効用」ではなくて、「後光(ハロー)」による錯覚」という意味。先に名声が確立してしまうと、後付けで何でも褒められてしまうが、それらは妄想だ、というセオリー。

著者はこのセオリーを使って、先行した戦略セオリーの著名本を批判している。中でも『エクセレント・カンパニー』と『ビジョナリー・カンパニー』が主要なターゲットとされ、多くのページが割かれている。歴代最大のビジネス・ベストセラー2書を選んで攻撃したところに著者の粘着質的性格を読んだ。

(この項 続く)

2012年10月14日日曜日

代々木VILLAGE 「2012年度 グッドデザイン賞 」

代々木ビレッジは、代々木ゼミナールの旧校舎跡地での期間限定の開発プロジェクトである。各界を代表するクリエーターが集まり、エコやオーガニックなどを前提とした「新しい消費のあり方」にこだわり、イメージではなく「実感をもって選ぶ」という主体性を提案している。施設もそのコンセプトと同様、オープンスペースが豊富で、都市の中での新しい場のありかたを目指しており、一貫したコンセプトを持ったデザインへの取り組みが評価された。(同賞 審査員の評)

本プロジェクトを挙行したUDS社の中川敬文社長は、経営者ブートキャンプのOBである。中川さん、おめでとう!

2012年10月13日土曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(8)

「ホスピタリティ経営」高野登特別講師

午後の後半、3時半から高野登特別講師の講義。デパートのノードストロームと並んで、究極の顧客満足を実現した企業事例としてよく引かれるのがリッツ・カールトンホテル。その日本法人と最初の大阪リッツを立ち上げ、長らく日本支社長を務めてこられたのが高野氏。サービス産業の経営者ならずとも聞きたい、垂涎の特別講義が実現した。
高野さんの演題は「深化するホスピタリティ」。

この講義にはやはり特別講師の新将命(あたらしまさみ)氏も出席され、新氏が社長を務められたジョンソン&ジョンソン社のクレドの存在を指摘され、高野さんとコメントを交換されていた。
「ライオンと象の触れあい」(戦い、ではないな)
を参加者の皆さんは嬉しそうに聞いていた。

高野講師のクラスは、意識的に午後の最後に置いた。そして、ブートキャンプのOBの皆さんにもオープンとしたら、10数名も参集してくれた。
高野講師も参加して、その後現クラスとの大懇親会。同窓会的なノリもあって、三次会まで開催されたという。講師陣は一次会で失礼した。

(この項 続く)

2012年10月12日金曜日

『なぜ、あの会社は儲かるのか? 』(山田 英夫・山根節) 書評153

なぜ、あの会社は儲かるのか?日本経済新聞社、2006年刊。

競争戦略の教授(山田氏)と、ビジネス・アカウンティングの教授(山根氏)がタッグを組んで、競争戦略を財務的な側面から解説、分かりやすく理解させようという啓蒙書。

その狙いは悪くないし、解説も平易で分かりやすい。採用した企業事例が執筆当時の話題企業だったので、今では少し古い印象があるが、それも大きな瑕疵ではないだろう。

ビジネスモデル(ジレット・モデル)による競争優位のことや、ポイント制度のメリット・デメリットなど読者は読んで益を得るだろう。PPMやM&Aの話など、後半は大企業向けのセオリーとなっている。それらの戦略を実際に繰り出せる立場の人は多くないだろうが、教養として知っておいて損はない。

競争戦略に興味を持ったビジネスパーソンに適している良い解説書である。

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(7)

ハロルド・ジェニーン『プロフェッショナルマネジャー』を講読

午後の前半は、課題図書の講読。ジェニーンは通信会社だったITTを世界的な一大コングロマリット企業グループに育て上げ、その間14期半もの長い間増収増益を続けた名経営者である。

本書(プレジデント社、2004年刊)は、経営者ブートキャンプ第1期参加生が「推薦図書3冊」に挙げてくれて、
「いつかはブートキャンプで」
でと思っていたら、前期第4期で何と三人の参加者が「推薦図書3冊」に挙げた。「推薦図書3冊」とは、「他の参加者に是非読んで貰いたい、為になる本3冊」、つまり「マイベスト」というわけである。これだけのレベルの受講生が申し合わせもしないのに、この本を掲げた。これは、他の皆さんにも是非読んで貰わなければならない。

いつものやり方であるが、当クラスでは、本の全体を討議しない。本書の場合では、第5章「経営者の条件」と第6章「リーダーシップ」のそれぞれを参加者に前回割り振った。15分ほど報告して貰い、その後15分ずつほど討議。まあ、大学のゼミにおける輪読の形式だ。発表者以外は、前日までに1ページ限定の「課題図書感想」を書いてきて貰っているので、討議に参加して貰えるようにしている。

(この項 続く)

『コア・コンピタンス経営』「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(10)

ゲイリー・ハメル
コア・コンピタンス経営

ゲイリー・ハメルとC.K.プラハラード共著、1995年。二人は別々のビジネス・スクールの教授だった。

「企業が中長期的に戦っていける中核的な能力(コア・コンピタンス)」を涵養せよ」と説き、そのような能力が不足していると自虐的な多くの経営者層に迎えられた。

「10年後の市場の状況を見晴らかし、それに対して今備えよ」と著者達はアジったのだが、私は「そんなことは分かりはしない」と旧著で揶揄した。

そんな予測行動を全社的に徹底して行った優等生企業としてEDS社を著者達は挙げた。「10年後にはすっかり生まれ変わった(素晴らしい)会社になっているだろう」とされた同社は、10年以内に消滅してしまった。

(この項 続く)

2012年10月10日水曜日

みずほ総研で社長の右腕になる!『部長の指導力・行動力』強化セミナー

昨年から恒例になってきた、みずほ総研での標題1日公開セミナー。本日出講。地方からも含め、40名が参加してくれた。

部長向けの公開セミナーは、他にもSMBCコンサルで定例となっていて、来月は11月10日(土)出講。詳細と申し込みは下記URL.
https://www.smbc-consulting.co.jp/company/seminar/teigaku/tokyo/month/201211/seminar_20122234-01.html

2012年10月9日火曜日

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(6)

多彩・充実の特別講師陣

5月12日は、私の講義としては、「繁栄の黄金律と成長戦略」を講じた。「繁栄の黄金律」を構成する4つの経営行動のうち最初のものだ。これ以降も、残りの三つの要素を各講で講じていく。いずれも、単にセオリーを解説するのではなく、私が実践した経営事例を元として解説していく。

今期は、私の他に出講してくれる特別講師は、
高野 登氏 (ザ・リッツ・カールトン元日本支社長)
新 将命 氏 (元ジョンソン&ジョンソン社長)
出口 治明 氏 (ライフネット生命 社長)
井上 和幸 氏 (経営者JP 社長)
のお四方。
「経営者が経営者を教える」というのがブートキャンプの謳い文句であるが、豪華絢爛たる講師陣ではないか。私を含めて5人の講師で合計50冊以上の著書がある。こんな経営者軍団がどこにあるだろう!

(第5期の話、続く)

経営者ブートキャンプ 実録日記 抜粋(5)

殆ど唯一のポストMBAプログラム
 
上記のことは私たちの誇張ではない。参加者の満足度、評価は格別に高いものが有る。5月12日の第1講が終わった時点で初参加者のお一人が事務局に、第6期の申し込みを希望した(まだ日程が決まっていない)。第3期の時は、参加者全員が―一人を除いて―次の期への継続を希望した。新しい参加者を入れたいので、慌てて「継続参加者の上限枠」をその時から設けた。ちなみに、その時継続を希望しなかった一人は、第1期から第3期までの既継続参加者だった。

今までに多くのMBAホルダーも参加者として迎えてきた。北米の有名ビジネス・スクールを卒業してきて現在はエグゼクティブという方達だ。その中の一人が、ブートキャンプのサイトに次のようなコメントを寄せてくれている。

「組織コミュニケーションを通じてクリエイティブに戦略を立案する山田式は全く趣きが異なり、浸透と実行、そして結果にフォーカスしている大変実践的なものでした。また、実際の成果を出してきた講師の方々には確たる哲学と強い想いがあります。ともに学ぶ受講生には熱い夢があります。 少人数のなか、こうした想いにインスパイアされるブートキャンプは素晴らしい学びの場であり、ポストMBAの場としても相応しいものだと考えております」

(第5期の話、続く)

2012年10月4日木曜日

新経営陣、やり方を変えて結果を出す

3年前に幹部研修を実施した会社の年次業績発表会に招いて貰い、出かけてきた。

その時本部長だった一人が、一昨年に社長承継を果たし、今度の株主総会で、他の二人が専務と常務に昇格した。同族会社ではない。

20年以上続いていた前社長時代から、この三人の新経営者が、会社の雰囲気、やり方を一新した。7月30日期の昨期では、対前年売上げ10%増を達成したという。経常利益も久しぶりの数字をたたき出した。

招かれた取引先の来賓達も「このご時世に」と感心しきりである。そのような業界(食材商社)でもある。
「骨格は、3年前の戦略策定研修のとおりのことを展開してきました」
言われて、コンサルタント冥利だ。

太平洋クラブ 会社更生法適用へ

太平洋クラブに対して、会社更生法に基づく保全管理命令が東京地裁より10月3日出された(ニュース、下記URL)。

民事再生計画案が出されていたが、多数の債権者からの反対にあり、否決された。出資しているファンドに有利な案であると反対運動が、会員などから起こっていた。

同社は、私が就職した最初の会社。学習院大学修士2年目に「中退の意向」として採用して貰った。国際的なゴルフ・トーナメントの奔りだった「太平洋クラブ・マスターズ」の運営事務局の仕事などをさせて貰った。

1年しか在職しなかったが、当時は「入会金1千万円、日本全国に数百のゴルフコースを」などとぶち上げて華々しいものだった。栄枯盛衰。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD030HO_T01C12A0TJ1000/

2012年10月2日火曜日

「本当に使える戦略・使えない戦略」 凱旋講義 10月11日(木)


競争戦略セオリーにだまされるな、社長のための「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義
大好評につき、10/11(木)追加開催決定!(これが本テーマでの最後の開催となります)

—— 9/13(木)参加者の声(一部抜粋)
「アカデミーの戦略論と、実務の経営戦略の違いが分かりました!」      
    (大手IT企業・組織長)
「短時間でこれだけのエッセンスを盛り込んでいただけて、大変ありがたく効率よく学べました」
    (大手人材会社・グループマネジャー)
「私の後に、会社幹部を参加させたいと思っています」  
    (オーナー会社社長)
「経営実務家としての興味深いお話しありがとうございました。率直に言って、大変おもしろかったです。」   
     (ベンチャー企業・創業社長)
「アカデミーの戦略論と、実務の経営戦略の違いが分かりました!」  
    (大手IT企業・組織長)
「短時間でこれだけのエッセンスを盛り込んでいただけて、大変ありがたく効率よく学べました」
    (大手人材会社・グループマネジャー)
「戦略を考える上での入門と成る機会でした。より深く学ぼうと思いました」 
    (外資系企業・代表取締役)
「学者が書いた戦略本で、“そうは言ってもね”と思うことがあったので、共感を持って話を聞けました。」      
    (ITコンサルティング会社・取締役)
「私の後に、会社幹部を参加させたいと思っています」  (オーナー会社・社長)
 

10/11(木) 詳細・お申し込み:http://www.keieisha.jp/seminar120913.html


ソフトバンク、イー・アクセス買収はランチェスター戦略そのもの

孫正義社長にはまた驚かされた。疾風怒濤の経営者という他はない。

iPhone5の発売に当たり、「LTEが弱い」と消費者からツイッターで迫られた孫社長は、発売翌日だったか「解決する」と断固つぶやき返した。精神論や「がんばります」の類かと思っていたら、こんな案件を仕掛けたわけだ。KDDIが先行していた買収話を、時価総額の3倍という札束を積み上げてこの1-2週間で巻き返してしまったという。

この買収も後世、孫社長の胆力と先見性の発露として賞賛されるだろう。というのも、この業界ではもう他に競合会社ーつまり買収できる会社ーは残っていなかったからだ。

携帯電話事業者は、シェアから言うと、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、イー・アクセスの4社に集約されていた。
「自分の上位ではなく、下位を叩き、しかしてすぐ上の上位を狙え」
というのがランチェスター戦略が教えるところだ。これ以上ない典型的な戦略適応である。

2012年10月1日月曜日

ポーターの三大戦略「本当に使える戦略・使えない戦略」徹底講義(9)

ポーターの「2者択一戦略」
マイケル・ポーターが提出した主要なセオリーの内、5F:5Forces(5つの脅威)については、拙著『〈超実践的〉経営戦略メソッド 』(日本実業出版社)で批判した。
http://www.amazon.co.jp/dp/4534048602

もう一つ有名な、「コストリーダーシップ戦略」と「差別化戦略」について。この2つについては、「そのどちらかに集中せよ」という「集中戦略」が入って、3つでセットとなっている。

ポーターのこのセオリーは、左の図に表して平易に理解することが出来る。図の「ポーターの四角」の中で、左下か右上のどちらか「だけ」に位置取り(ポジショニング)せよ、ということだ。

言うまでもなく、このポジション取りの限定にはその後議論が巻き起こり、今日に至っているわけだ。

(この項 続く) 9月13日に行った公開セミナー。10月11日(木)16:00と19:00に再開催。

『戦略サファリ』ヘンリー・ミンツバーグ 書評152

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ダイヤモンド社、1999年刊。

経営戦略に関する欧米アカデミーの学説を概観する書。「セオリーのカタログ」と思えばよい。私も手元に置いて、資料として重宝している。今度、とある原稿を書くために再通読したので、書評として再掲載。

発刊年が1999年ということもあり、20世紀における欧米の戦略アカデミーで主要とされている文献が渉猟され、整理されている。ミンツバーグは本書で10のスクール(学派)を立て、分類・概説・批判をしているわけだ。逆に言えば、本書で触れられていない文献は―あちらではー大したものではない。

日本からの学説が世界発信していないことに気が付く。野中郁次郎、伊丹敬之が例外のように登場しているだけだ。英語文献による積極的な発言がないと世界では通用しない。日本のアカデミーもあちらの学説を紹介するだけにとどまって欲しくないと願う。