2017年3月5日日曜日

出光、合併阻止狙う創業家への対応どうする(7)

浜田弁護士の代理人辞任という事態で、私はトランプ米大統領を想起した。

大統領に着任して、メキシコ国境での壁建設や7カ国からの入国制限など、次々と個性ある大統領令を発布し、強い反発を引き起こしている。不合理、不条理ともみえる決定は、それを発布できる権力に裏打ちされている。大統領選挙というアメリカの民主主義システムがそれを与えた。

 昭介「大統領」の場合は、株主資本主義というシステムから権力を与えられている。別の企業事例で見てみると、セブン&アイ・ホールディングスで創業家がどれだけの株を所有しているかというと、9.6%である。その持ち株分だけで、あの大経営者・鈴木敏文氏の詰め腹を切らせた。出光で昭介氏が掌握している株式は3分の1を超えている。昭介氏がまだ厳然として事実上のオーナーなのだ。

 昭介氏の行動は、出光経営陣の視点からは不合理、不条理とみえる。業界はまさに再編の波に洗われていて、JXホールディングスと東燃ゼネラル石油の統合会社、JXTGホールディングスが4月に発足する段階だ。出光・昭和シェル案件も待ったなしの状況で経営陣としては悲鳴をあげたいような段階となってきた。

(この項 続く)

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