昭介氏は出光グループを創業した故・出光佐三氏の長男で、創業家直系の総帥だ。出光は上場企業ではあるが、創業資本家である出光家は経営にも深く関与してきた。
昭介氏は01年に代表権のない名誉会長に退くまで、第5代社長を12年間、会長職を8年も務めている。同社上場前には40%以上もの株式を所有する筆頭株主だった。そのような来歴から、同氏のオーナー意識は現在に至るまで強固なものがあると推察される。
自らが任命したわけでもない従業員社長である月岡隆・現社長などは、昭介氏にとっては、その「出光ヒエラルキー」の中では「たまたま任せてやっている若造番頭」くらいのものでないのか。
昭和シェルとの経営統合は、月岡経営陣により企図追及されてきたプロジェクトだ。昭介氏が反対を掲げたのは、当初「外資である昭和シェルとの社風があまりに違う」ということだった。しかし本音としては「オーナーである自分の了解も得ないでそんなことを始めるなんて」というところが強かったのではないか。つまりメンツの問題だ。
(この項 続く)
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