長すぎる「生みの苦しみ」
冒頭の発表で大塚社長は、「この好調を受けて、リユース・アウトレット業態を拡大する。リユースの受付と販売を行う店舗を現在の8店舗から16店舗に拡大する」とした。ちなみに現在の店舗数は19店舗なので、ほぼ全面的な展開ということになる。
それは確かに、高級路線から脱却しようとしている大塚社長の戦略に沿った流れにはなるのだろう。問題は、同一店舗内で正価品と混在させることになるので、正価品のブランド価値の毀損リスクが生じることだろう。
そもそもリユース事業は、ビジネスとして同社にどれだけのマグニチュードをもたらすのだろうか。リンテリアの佐野社長が言うように、月商3000点を達成したとして、平均価格5万円とすると、年商18億円ということになる。大塚家具の年商580億円(15年12月期)に対して、社長がそこまで意気込める事業規模となればいいのだが。
09年に社長に就任して以来苦闘を続けてきている大塚社長は、今秋にもいくつもの施策を打ち出してきている。10月にはイギリス家具の名門ブランド「DURESTA for MATTHEW WILLIAMSON」の販売開始を発表し、11月に入ると「STAR WARS/PREMIUM HOME COLLECTION 2016」や「世界の絨毯フェア」などのイベントも実施している。今回のアウトレット・リユース事業もビジネス拡大戦略の一環と見ることができる。
(この項 続く)
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