2016年12月15日木曜日

シャープの晩節を汚した高橋興三前社長 「2016経営者残念大賞」第3位 (1)

2016年前期決算で、2期連続の巨額赤字について謝罪する
シャープ・高橋興三前社長
(ロイター/アフロ)
2016年も年の瀬が近づこうとしている。本年もいろいろな経済・ビジネス事案が報道され、なかには「事件」と呼んでいいほど社会の注目、あるいは指弾を受けたものもあった。

 一方で業績を大きく伸ばした経営者や、斬新で新しいビジネスモデルを策定して市場に颯爽と登場したアントレプレナー(起業家)も多くいた。1年を振り返って、それらの優秀な経営者を顕彰する企画や記事は従来から存在する。

 本連載では、ノーベル賞に対するイグノーベル賞的な性格の賞を勝手連的に創設して、ネガティブな見地から今年話題となった経営事案を総括的に振り返ることとしたい。「2016年経営者残念大賞」を謹んで発表する。

経営者たちの「残念度」からグランプリを決定


 選考基準はいくつかある。「残念」の内容としては、以下のようなものである。

・業績を大きく落とした
・成長機会を逃した
・企業価値を大きく毀損した
・危機的状況に際して拱手傍観してしまい、窮地に陥る状況としてしまった
・経営者としての倫理にもとった
・社会に大きな損害あるいはリスクや不安を与え、強く指弾された


「残念」のマグニチュードとしては、ひとつの指標として報道量がそれに当たるだろう。結果、対象となったのは、ほとんどが有名企業であり、それらの経営者となる。

 また、「選考の対象期間」としては、16年に当該企業の経営ポジションにあった個人、つまり経営者とする。産み落としたものは企業という組織が行ったことではあるが、「最終責任者は誰だ?」という観点から、その会社の経営者、多くは社長を対象に審議させてもらった。

 今年の「経営者残念大賞」は、初年ということもありグランプリと第2位、第3位までを私の独断と偏見により認定、発表したい。最後に他の数人を「着外残念賞」として紹介する。本編を入れて4回にわたる連載記事となる。

(この項 続く)

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