残念な点(1):何もしなかった
高橋氏は社長就任後、期待に応えるようなことは何もしなかった、というのが私の評価である。
1年目は業績が回復して高橋経営に対する幻想が高まったが、それは太陽光事業と中国シャオミ(小米)に対する液晶パネル供給が当たったおかげだった。これらの好調は結局、短期一過性ですぐに不調に陥ってしまった。着任初年度のビギナーズラックに目がくらんだ高橋氏は、結局これらの事業に対しての早い段階での見直し、リストラなどに踏み込めなかった。
高橋社長が力を入れたのが「シャープのけったいな文化を変える」という、けったいな動きだった。不調な会社を再生するには、確かに企業文化を底から改革しなければならない。日本航空(JAL)で稲盛和夫氏が実践したように。しかし、それはとても難しいことなので、それをめざす再生経営者はこれも稲盛氏のように身を投げ出す覚悟でかかり、その姿勢を見せなければ成就しない。
(この項 続く)
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