2016年12月16日金曜日

シャープの晩節を汚した高橋興三前社長 「2016経営者残念大賞」第3位(2)

存亡の時に擁立された無定見政権


 記念すべき最初の受賞者、2016年の第3位は、シャープの高橋興三前社長である。
 シャープは今年、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されてしまったのだが、鴻海の軍門に下った直接の経営責任がすべて高橋氏に帰しているわけではない。歴代の社長は次のような系譜である。

4代目社長(1998-2007)町田勝彦氏
5代目社長(07-12)片山幹雄氏
6代目社長(12-13)奥田隆司氏
7代目社長(13-16)高橋興三氏
8代目社長(16-)戴正吳氏


シャープの屋台骨を揺るがせたのは、いうまでもなく液晶事業への過剰投資で、それへ乗り出した町田氏が途を誤ったという点では、もっとも責められるべきだろう。しかし、その途を追随して傷を深めてしまったという点では、片山氏、奥田氏にも経営上の重大な失策があった。

 13年に片山会長(当時)が引責辞任することになったとき、奥田社長(同)に「あなたもやめるべきだ」として引導を渡し、自らバトンを受け取ったのが高橋氏だった。高橋氏は新卒でシャープに入社したプロパー社員。4代目社長だった町田氏も経営陣から排除したことから、経営の全権を掌握した格好となり、社内外の期待が大きかった。

(この項 続く)

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