毎期の定員は25名で選考があり、いつも満員になるという。参加者の構成は「大企業の中堅10名、ベンチャー・中小企業のトップ5名、中央・地方官僚5名、プロフェッショナル5名」が典型だという。みなさん、自費で参加されているのだろうか。
私はこの説明を聞いて本当に驚き、興味を持つと共に「学びの快楽、ここに極まれり」と思った。こんなプログラムは、世界中を見渡してもほかにないだろう。
だが、問題は「では、修了すると何が得られるのか」ということだろう。東大EMPを修了しても、MBAなどの学位や資格は与えられず、ただ修了証がもらえるだけだ。そして、驚いたことに“評価もつかない”という。つまり、通信簿がないということだ。
「評価は口頭でも文書でも行わない」とのことで、東大EMPが参加者に期待しているのは「Agenda-Shaping Leadership(課題設定・形成能力)の醸成」だそうだ。
私は、「12期を終えて、卒業生が約300名出たわけですね。『東大EMPムーブメント』としては、何が起きたのですか?」と質問した。例えば、松下政経塾は多数の政治家を輩出しており、日本の政治シーンで大きな存在感を持つに至っている。東大EMPの回答は、「まだはっきり説明できる段階にはなっていない」というものだった。
今後、東大EMPの卒業生が幅広く活躍する状況を、ぜひ目の当たりにしたい。
(この項 終わり)
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