「顧客のメーカーが、円高のためにアジアへの製造移転を本格化してしまったからです」と、小平社長は筆者のインタビューに答える。その結果、年商は10年に40億円を切るなど、業績の悪化は急を告げた。
「いくつかの戦略を実行しました。ひとつ目は、顧客セグメント(顧客の分野)を新しい構成にすることです」(小平社長)
それまでは、ソニーなど弱電メーカー関連への納入率が9割近くを占めていたが、自動車用部品に的を絞り、新規顧客を開拓したという。これは、戦略的にまったく正しい判断だった。
というのは、金属プレス加工の販売額統計で「電機・通信」は06年に1027億円とピークを記録しているが、14年には380億円と、3分の1近くまで激減しているのだ(日本金属プレス工業協会統計、以下同)。
「精密」も06年の144億円から、14年には60億円と半分以下に落ち込んでいる。これらの分野を重視していた金型業者や部品業者の倒産は、ここ数年絶え間なく続いている。
(この項 続く)
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