目指すは世界一の金属成形部品メーカー
そこまでの精度を有する金型からプレス成形される金属部品は、どんな領域まで担うことができるだろうか。「医療機器分野に手を広げようと思っていますし、将来的には航空や宇宙関連事業で貢献できるところまで、精度を追い詰めたい」と、小平社長の野望は果てしない。
太陽工業は製造プロセスの分野でも、精密立体部品の自動積層組立ラインで「中小企業優秀新技術・新製品賞」の優良賞や「素形材産業技術賞」の素形材センター会長賞などを受賞している。
精密産業の集積地域である諏訪地区の代表的な部品製造業者として、太陽工業は銀行や自動車会社の幹部が同地区を訪れる際には、外せない訪問先となっている。
「13年には断腸の思いでリストラを行いましたが、この年から収益回復が始まったのです」(同)
売り上げが11年に底を打ち、12年から回復に転じていたところに、13年、14年度と経常利益も復活した。15年度には連結ベースの売り上げで70億円という勢いだ。
70億円の年商が40億円を切り、そこからまた70億円に回復する。そのサイクルが10年に満たないとなれば、本当のV字回復といえるだろう。世に言われるV字回復のほとんどは経常利益ベース、つまりボトムラインでの回復である。トップライン(売り上げ)でそれを成すことはまれだ。ましてや、太陽工業のように従来型の製造業かつこの規模感でそれを実現しようとしている事例はほかに聞かない。金属成形部品メーカーとして世界一を目指す、太陽工業の挑戦が続いている。
(この項 終わり)
0 件のコメント:
コメントを投稿