2015年7月13日月曜日

「マック絶不調、モス好調」は正しくない モスが顧客満足度1位なんて本当か?(2)

モスの成長は足踏みを続けている。店舗数は15年6月末で1765店だが、12年3月末は1756店だった。そもそも1500店を達成したのが1998年のことで、海外店舗増を差し引けば、ほぼ20年の間「不動の」2位を守ってきている。ちなみに94年までは店舗数でマックを上回っていた。

 14年3月末時点の数字で、マックの店舗数は3093、国内3位のロッテリアは446店、4位のフレッシュネスバーガーは165店舗である。ハンバーガー業界の店舗数は「1マック、2モス、3その他」と覚えることができる。

「モスは成熟期」は本当か?


 企業としてのモスの発展段階を黎明期、発展期、成熟期に分けると、98年以来の櫻田厚現社長の時代が第3期「成熟期」とされている(『ハンバーガーチェーンの比較経済分析』<大東文化大学古屋ゼミ/2012年>より)。

 しかし私の見地からは、創業社長だった櫻田慧氏が急死した97年までが「成長時代」で、それ以降は現在に至るまでずっと「長期低迷時代」が続いている。

 創業者の慧氏はカリスマ経営者として知られ、加盟店からの信頼と尊敬が厚く、絶対的な存在だった。モス・チェーンは大部分がフランチャイズ加盟店なのだが、「櫻田哲学」に賛同して参画した店が多かった。

(この項 続く)

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