告発ムーブメントがスポーツ界でも
昨年ハリウッドから起こりアメリカ全土はおろか世界的に広まったのが、女性に対する性的ハラスメントの告発運動だ。今までは孤立していて声を上げることのなかった女性被害者たちが、このムーブメントに励まされて被害を告発し始めたのだ。
伊調問題と貴乃花親方の告発でも、旧態依然たる競技団体というムラ社会のなかにいて声を上げにくかった被害者側が、影響しあって問題を指摘し始めたのだ。上下関係の厳しい相撲界では「無理へんに拳骨と書いて兄弟子と読む」などという言葉までが使われてきた。しかし、競技団体というのは、つまるところそこに属する選手のために存在するはずだ。弱い立場の選手が貶められたり、パワハラに泣くようなことがあってはならない。
思えば、スポーツ界における告発ムーブメントの走りは、2013年に発覚した女子柔道選手に対するパワハラ・セクハラ事件だったと思う。私たちは、虐げられたほうの存在である被害者側の告発を強く支持するべきで、一部記事に見られる「世渡り下手の貴乃花親方、深まる孤立」などと、その行動を腐したり貶めるべきではない。
(この項 終わり)
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