2018年3月8日木曜日

【伊調馨パワハラ告発】レスリング協会、「即刻否定」直後に「調査」への疑問(3)

「まず、当協会が伊調選手の練習環境を不当に妨げ、制限した事実はございません。同様に、当協会が田南部力男子フリースタイル日本代表コーチに対し、伊調選手への指導をしないよう、不当な圧力をかけた事実もございません」

 こういう文章は「木で鼻をくくったような」と評することができる。

問題の告発文は、同協会幹部のパワハラ疑惑を糾弾したものだ。このレスリング協会の声明直後の3月2日、林芳正文部科学相は同協会が伊調選手と栄氏に調査を行うと発表したが、同協会は「事実はございません」とする見解を出す前に、指弾されている栄氏の行動がどうだったのか、それに対する事実確認や見解の表明が必要だったといえよう。報道が明らかとなった後、短時間で出された「見解」なら、「これから十全に調査する」という表現が最低限の誠意ある見解といえる。

ちなみに日本レスリング協会副会長である馳浩元文部科学大臣は、「私たちと強化本部長、伊調選手が一緒にテーブルを囲んで話をすれば済む話だと基本的に思っている」との見解を示している。


相撲協会もレスリング協会もムラ社会


 今回の事件と、前述の日馬富士による暴行事件が構造的にどのように似ているのか。プレイヤーズ・セオリー(登場人物と役割)によって見てみよう。

(この項 続く)

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