ユニクロなどを展開するファーストリテイリング社長の柳井正氏と、ソフトバンク社長の孫正義氏は、実質的な創業社長として現在日本における2大名経営者だと思います。
ビジネス拡大の手腕については、ともに稀有というべき実績を残してきた2人ですが、その経営手法やスタイルには大きな差異が見られます。
差異の筆頭ともいえるのが、「ビジネス・ドメイン」との関わり方でしょう。「ビジネス・ドメイン」とは「事業領域」と訳されています。
●柳井氏は同一ドメインの深掘り
柳井氏の場合は、地方都市の一洋品店であった小郡(おごおり)商事の2代目を継いだ時から現在に至るまで、ほぼ一貫して繊維産業とその流通業のカテゴリーの中で業容を拡大してきました。途中、野菜の小売りなど、私たちの目をむかせるような寄り道をしたこともありますが、たちまち撤退し、本業に回帰しています。(この項 続く)