2012年12月28日金曜日
『世界の経営学者はいま何を考えているのか』 入山章栄 書評160(3)
現実の経営現場で起こっていることを、数百の事例を集めて統計処理するのが現在の研究主流だという。これはつまり「起こっていることの分析」であり「叙述」なわけだ。
さて、それではそのようなアプローチで認識された経営傾向が明らかとなった場合、経営現場ではどんなことが起こるのか。「それはいい」とベンチマーク(模倣)するか、「人の行く裏に途あり」と、敢えて別の経営行動を選ぶ経営者もいるだろう。
経営学とは究極的には経営者学という側面がある。人間の営為だ。人間のなす事を捉えること、理解すること、叙述することは難しい。アカデミーとしての経営学がどこまでそういう点に迫れるか、興味があるところだ。
ところで本書には例えば
「興味をお持ちになった方は『ジャーナル・オブ・インターナショナル・スタディーズ』の特集号を読んでみるとおもしろいかもしれません」などというような記述がさらりと出てくる。このマニアックなレベルの高さが、読者のプライドをくすぐって売れているところがある。
(この項 終わり)
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