質的に変わった問題
掲げている小見出しは飯田のエッセーに対応させている。この段落での飯田の問題意識は二つある。
一つは「事故による放射性物質の拡散」で、もう一つは「放射性廃棄物の貯蔵」だ。
後者について飯田は
「1600年以内に超長半減期の核種を消滅させるための分離技術こそが『思想』の核となる」
としている。ここで「思想」とは「廃棄物に対するはっきりした思想」とのことだ。
しかし、上記二つの問題を同列同時に論じることは、社会的に有効なこととは思われない。後者については1600年という時間の余裕があるが、前者はまさに今の世界に起こってしまっている現象、そして私たちが晒されている脅威なのだ。当該技術の開発、拡散に関わってきた技術者のまさにその一人として、飯田に求められているのは前者の問題に対しての解決策を私たちの世代で解決する技術を確立することなのではないか。当事者意識の欠落を恬として恥じないのはおかしい。
(この項 続く)
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