2015年8月17日月曜日

花王の怠慢 P&Gとの「ケタ違い」の差を生んだ「やる気のなさ」(3)

花王に「できない」はずはない


 P&Gは1970年代に合弁で日本進出を果たし、06年にP&Gジャパンとなった。「世界のP&G」が進出した主要国のうちシェア1位を取れない数少ない市場が日本である。その要因は、強力な競合相手である花王の存在だった。

花王は日本を代表するBtoCの企業であり、トイレタリー市場における製品力や開発力にはP&Gも一目置くほどである。つまり、製造業として極めて優秀な企業だ。加えて、パッケージ・グッズのマーケティングに関しては、日本を代表する企業として名望をほしいままにしてきた。企業規模や財務の点でも申し分のない一流企業だ。

 では、その花王がなぜ世界市場ではP&Gの後塵を拝しているのか。

 それは「やる気がなかったから」ということに尽きる。P&Gと同様に日用品である化粧品メーカー資生堂の海外売上高比率は55%に達している(15年3月期)。

(この項 続く)

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