そして、P&G流の競争戦略として、次の「5つのステップの戦略カスケード(滝)の統合」というセオリーに行き着いた。
・勝利のアスピレーションは何か
・戦場はどこか
・どうやって勝つか
・どんな能力が必要か
・どんな経営システムが必要か
セオリーの詳細については同書を参照していただきたいが、通読して私が強く感じたことが2つある。
まず会社全体で採択する競争戦略がしっかりセオリー立てされ、それを全組織が世界中で徹底的に共有している。方法論が同じなのだ。単一企業でこれだけしっかり自社の戦略をセオリーとしてまとめ、実践しているケースは稀である。
そしてP&Gでは、世界中で多数のブランド展開における新しい経験や消費者知見を限りなく積み上げ共有している。これだけ優れた理論体系を持った巨大企業が「ラーニング・オーガニゼーション」として、さらにその経営技能に磨きをかけ続けているのである。
(この項 続く)
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