2015年8月26日水曜日

世界の巨獣P&G、日本へ本気の攻勢始動(3)

今回切り離されるブランドには有名なものも含まれ、また売却金額は巨額であり、両社にとっては重大な戦略的意思決定となった。P&G側では「選択と集中」を進め、「中期的にはベビー・ケア、ファミリー・ケア、フェミニン(女性)・ケア、ファブリック(衣類)・ケア、ホーム・ケアの分野に注力する」(7月16日付「Forbes Online」記事より)と見られている。

「企業マーケティング大学」


 P&Gが手放した、輝くようなブランド群に圧倒される。同社の場合は、数百に上るブランド群を買ったり売ったり育てたりして、そのポートフォリオを柔軟に組み替えてきた。

 強みの源泉として注目すべきは、P&Gの「ブランド・マネジャー」制である。他の企業では「プロダクト・マネジャー」と呼ばれることもあるが、その規範となっているのはP&Gだ。

ブランド・マネジャーは担当したブランドについて、世界中でのビジネス展開に責任と権限を持つ。R&D(研究・開発)から生産計画、マーケティング、そしてもちろん売上高と利益責任にも同様である。よって、P&G社内にはブランドの数だけ企業家がいるという状況だ。

(この項 続く)

0 件のコメント:

コメントを投稿