(日本経済新聞2013/1/15)『家電製品などの受託生産で世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が自社製品の生産・販売に乗り出す。このほど台湾の傘下の家電量販店で60型の液晶テレビを発売した。
米家電量販大手のラジオシャックとも提携、中国大陸で合弁店舗を増やして拡販する。中国の人件費上昇を受けて受託生産の利益率が低下しており、事業モデルを一部修正して成長を目指す。
鴻海はこれまで最大の顧客である米アップルのスマートフォン(スマホ)などの受託生産に特化していた。今後は中国などに自前で築いた小売り網で自社製品を販売する事業も展開する。家電を自社生産・販売するのは初めて。
B-toB専業だった鴻海(ホンハイ)がB-to-Cに乗り出す、という一報。EMS(電子製品製造受託)企業が陥る典型的なジレンマと罠に同社も嵌ってしまった。
「顧客企業とは競合しない」と言いつつ、野心には限定がない。そのことを顧客側も読み取る。潜在競合となる可能性があり、能力がある巨大EMSが一歩を踏み出してしまった。もうそれだけで、顧客企業との従来の関係は損なわれ始めている。
(この項 続く)
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