2つ目は、極端な悪業績が現出したことによる、組織内の危機意識の醸成である。一部には倒産の可能性さえ報道された。こうなると従業員や役員までもが改革を望み、受け入れる状況が出来上がる。
3つ目が、社内に充満していたであろう“松本アレルギー”だ。中井戸氏を連れてきたのが松本氏と距離をおいていた新最高顧問ということもあり、今度は意外と受け入れられるのではないか。経験豊富な中井戸氏はうまく人心一新をアピールできるかもしれない。
RIZAPを企業再生させるには、子会社群の「選択と集中」しかない。その方向性はすでに示されている。そちらの方向に舵を切った松本氏は悪役を買って出た上で舞台から退場した。「選択」ということなら、RIZAPで知られている「結果にコミットする」というコピーに合致した、あるいは関連した事業に絞るということだろう。RIZAPが自ら掲げている「自己投資産業No.1へ」に回帰しなさい、ということだ。
最悪期という、機は整ったRIZAPをこれから中井戸氏がどう浮上させていくのか。手腕の発揮どころがきた。
(この項 終わり)
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