2019年6月2日日曜日

ライザップ、松本晃氏が半年で敵前逃亡した“蟻地獄”…数十社の不振子会社群に慄然(11)

パートタイムでは企業再生はやりとげられない


 松本氏のRIZAPにおける最大の蹉跌は、氏の多忙さということに尽きるだろう。瀬戸社長の要請を受けてRIZAPに乗り込んできた松本氏は、瀬戸社長に対して、外部ですでにコミットしてしまっている業務の続行を条件とした。

 その結果、名が知れたこの会社のCOOが週に一度程度の稼動という態勢しかとれなかった。そして、管掌業務は80を超すといわれる子会社群の担当及び立て直しとされた。週に1度しか顔を出さないトップがどうやって業種、業態、規模が異なるそんな数の会社群の経営、あるいは経営指導ができようか。

 RIZAPに着任した松本氏は、すぐにそれまでのM&A拡大路線の無理筋を読み取り、それをストップさせた。しかし、すでに買収してしまった企業群の立て直し、さもなければ売却は短期間では不可能だ、およそ豪腕を誇る自分でも難しいことだということも悟った。

 ところが、社内では瀬戸社長以外は四面楚歌、自らは社外活動もあり経営にフルコミットできない状況である。当然ながら実績、業績は確保できないだろう。そんな判断を下したプロ経営者は半年もたたずして当社の代表取締役COOの座を自ら滑り降りた。

「RIZAPは手に負えない」

というのが、松本氏の苦い判断でなかったか。

(この項 続く)

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