あ。「日本の生命保険料を半額に」「子育て世代にやさしい生命保険を」という理想主義に燃えて発足した同社は、2008年5月の営業開始以来、20代や30代の若年層の支持を受け、順調に保険加入者数を伸ばしてきた。
しかし新規の契約獲得数は、12年度の6万件超えを境に減少し始め、14年度ではピーク時の半分以下になってしまった。同社に続いてのネット生命保険の新規参入が続き、現在では8社が競合するようになったからだ。
今年に入り、ライフネットは新しい基軸を打ち出している。4月にはKDDIからの資本受け入れを発表し、保険料も大幅に下げた。さいわい、生命保険会社としてソルベンシーマージン比率(支払い余力)はとても高く、財務的には安定している。KDDIの資本関与で知名度と信頼度の補完が得られるだろう。
業界で初めて手数料など保険料の内訳を開示したり、「正直な経営」を掲げるなど、出口さんの経営にはそのお人柄と同様、尊敬する点が多い。今展開している新しい施策は、クリステンセン氏がいうところの「(5)実験力」に当たる。イノベーティブな創業経営者、出口さんにはぜひいろいろ経営実験をして、ライフネットを第2の成長ステージへ導いてほしい。
(この項 終わり)
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