2013年11月3日日曜日

『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君達へ』K.クリステンセン他 書評184(5)



クリステンセンの価値観はとても西欧キリスト教的なもののように聞こえる。しかし、その徹底ぶりは驚嘆すべき段階らしく、本書によって私たちは教授の個人的側面に触れることが出来る。共著者として協力したカレン・ディロンは教授から強い感化を受け、自らキャリアを放棄して家庭に入ってしまったほどだ。

さて、経営者を目指す人はそうでない人よりよほど自分を律し、優先すべき価値観を自覚しないと不幸になるということは真実だろう。ビジネス上の達成だけだと、「気が付けば、、、」となってしまった人が沢山いる。

先輩経営者である新将命氏が先日の会食で「徳の人と才の人」という表現を使った。私たちは両方を兼ね備えなければ、自分も周りの人(家族と社員)をも幸福にすることは難しいと知るべきなのだろう。

(この項 終わり)