2013年11月21日木曜日

『競争力』三木谷裕史、三木谷良一 書評185(5)

本書によって三木谷浩史氏について私が認識を改めたのは、楽天創業社長の思わぬ知的レベルの高さである。

一代であれだけの大企業を立ち上げた事業家であるので、突進力に優れたジャングル・ファイター型の起業家をイメージしていた。ところが、碩学三木谷良一氏と互角に渡り合っている。

一橋大、ハーバードMBAという学歴を得た知力はやはり並のモノではない。そして、その頭脳的な毛並みの良さを、父親である故三木谷良一氏を引っ張り出したことで満天下に示した。「親父自慢」とならんで、本書で一番点数を稼いだのは浩史社長だろう。やはり並の経営者ではない。

(この項 終わり)