しかし、そういう人間的魅力と経営能力との整合性は、どれだけあるものなのか。16年に入って玉塚氏は「これからはオール三菱で当たろう」とか「三菱グループとしての強みで戦う」などとしていた。玉塚氏は退任会見で次のように述べた。
「三菱商事を巻き込んで、総合戦闘力を生かしていこうということを発信したのはそもそも私自身」
「1500億円をぶち込んで、過半数の株式を取得するTOBをされることには正直びっくりした」(共に17年4月13日付東洋経済オンライン記事『ローソンの玉塚元一会長が電撃引退する事情』より)
正直なところは、お人の良さ、育ちの良さが窺われて好感が持てる。
今回の玉塚氏の退任発表を受けて、あるメディアは「プロ経営者は次にどこに行く?」と報じていた。
スター経営者である玉塚氏のことだから、次の挑戦機会も引く手あまたのことだろう。しかし、「プロ経営者」というのは玉塚氏のどこを指して言っているのか、私にはわからない。
(この項 終わり)
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