コダックになるのか、富士フイルムになるのか
ニコンの年商7,500億円のうち、映像事業は3,800億円を占めている(いずれも17年3月期予想)。ニコンはまだかろうじて半分強をカメラで稼いでいる会社だ。
カメラ業界におけるこの20年間の技術革新は、関連する大企業をも巻き込み、勢力図の大きな変化を引き起こしてきた。
デジタルカメラの導入により銀塩フィルム・メーカーは総崩れとなり、世界的な優良メーカーだったコダックは倒産し、一方の雄だった富士フイルムはその事業ポートフォリオをすっかり刷新して盛業してきている。フィルム・メーカーのそんな変遷を私は「イノベーションのジレンマ」セオリーで解説し、デジタルカメラがこの場合「破壊的技術」だとしてきた。
今回、カメラ全体に対しての「破壊的技術」として台頭してきたのが、もちろんスマートフォンである。
代表的なカメラメーカーであるニコンのカメラ製品ポートフォリオは、大きく3つある。コンパクト・デジタルカメラ、ミラーレス・カメラ、そして一眼レフカメラである。これら3つの分野でニコンはすでに第1位のシェア・ホルダーではない。
スマートフォンの挑戦にさらされているニコンは、この3分野のそれぞれで、どう戦おうとしているだろうか。
(この項 続く)
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