2017年4月1日土曜日

【株主総会を徹底取材!】 大塚家具、久美子社長の「経営失敗」で過去最悪の赤字…「購入する客」激減、社長退任要求も (8)

しかし、会社の基本となるポジショニングをはっきり市場に向かって発信できなかったこと、そして誤解があったとしてもそれを訂正できていないことは、大きな問題だ。会社側からのメッセージによって来店する顧客セグメントは移っていくし、16年度を見ればその母数が減ってしまっている。戦略の失敗といえるだろう。

事態は楽観を許さない



 株主からのほかの質問としては、減り続けるキャッシュ・ポジションや積立金の取り崩しなどについての心配もあった。しかし、全体的には「久美子社長がんばれ」という応援的なムードが横溢していて、前述20年来の個人株主が久美子社長へのエールを5分以上にわたって披瀝したときは、久美子社長が涙ぐみそうなっていたと私には見えたし、この発言が終わると大きな拍手が起きた。

 さて、20年来ではない株主の私としては「現経営陣の安泰は、社業の安泰を意味しない」という、シビアなものだ。その意味でISSの助言に組する立場である。

 大塚家具の経営問題は、父娘対決で話題となってから2年を過ぎて、世間の興味はもう低くなったと私は思っていた。ところが総会を出てきた私は、待ち構えていた報道陣に囲まれ、結局2つのテレビ局と主要経済紙から取材を受けることになった。

 大塚家具への世間の興味は続いている。久美子社長、いよいよ正念場の年となっている。

(この項 終わり)

0 件のコメント:

コメントを投稿