2018年11月7日水曜日

マツダ、欧州ディーゼル車から撤退すべきだ…ロータリー・エンジン過信で経営危機の二の舞(8)

つまり単一商品の技術力より、大きなマーケット構造のほうがビジネスの勝敗を帰結させるものなのだ。

 私は若いときにマツダのロータリー・エンジン車に乗っていたことがある。当時としてはすばらしいエンジン性能に惚れ惚れしたものだ。マツダの当時の経営陣も陶酔していたのだろう。

 ロータリー車はしかし燃費の悪さでマスとしてのユーザーを持続させることはかなわず、やがてこのエンジンの開発と製造を続けているのは世界でマツダ1社となってしまった。そして、マツダはとんでもない経営危機に陥ってしまったのである。

 あまり昔の話なので、今のマツダの経営陣や技術陣はその記憶が薄れてしまっているのかもしれない。しかし、おもしろいことに強い共同体験は企業組織にも取り込まれて残るものだ。
ここでは、「技術信奉によって大きなビジネス戦略選択上の失敗を犯す」というDNAがそれだろう。

 マツダは早くヨーロッパのディーゼルから撤退したほうがいい。

(この項 終わり)

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