動きはある。
トヨタはこの1年ほどの間に、立て続けにEV(電気自動車)を含む電動車の長期計画やアマゾンやウーバー、アップルなどIT業界の巨人との連携などを相次いで発表した。
18年3月には、トヨタコミュニケーションシステム、トヨタケーラム、トヨタデジタルクルーズのIT子会社3社を統合し、19年1月に新会社トヨタシステムズを設立することを発表している。同じ3月にはデンソー、アイシン精機と共同による自動運転の新会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスド・デベロップメント(TRI-AD)」を都内に設立することを発表した。
これらの動きは、従来の組織体系のままでは「イノベーションのジレンマ」状態に対応しない、できないということを理解した上での経営資源の再構成と見ることができる。
豊田社長は、自社が置かれている危機をよく理解している。それを社内に対してもよく発信しているが、既存組織の対応では間に合わないという構造もよく理解しているようだ。そして、対応策として既存組織(それは子会社群も含む)の再構成を行っているし、外部の経営資源の活用にも手を伸ばしている。
状況の認識と矢継ぎ早の対応策の繰り出しという点で、私は豊田社長を優れた経営者だと認める。問題は、豊田社長が繰り出している、そしてまだ発表していないであろう諸々の施策が間に合うか、ということだ。変革するにはトヨタというのはあまりに大きな組織に見えるからだ。豊田社長の挑戦に注目し、応援している。
(この項 終わり)
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