「自動運転や電動化など新技術の台頭で自動車業界が転換期にあるなか、トヨタ自動車は継続的な業務改善で競争力を高める『トヨタ生産方式』(TPS)を強化する。創業以来同社の成長の原動力となってきたTPSを統括する部署を新設して生産部門以外の営業や技術開発などを含めて全社的に展開し、競争力の底上げを図る」(2月5日付ブルームバーグ記事『100年に一度の転換期、トヨタはカイゼン強化』より)
TPS本部は200名弱のメンバーを集めて新発足したという。しかし、カイゼンで得られるものは、財務的には年間せいぜい数パーセントの成果でしかない。しかも従来型の技術やオペレーションの充実、改善に焦点を当ててしまう。内燃自動車の開発、製造、販売にいくらてこ入れしても「CASE+A」の襲来には何も意味をなさない。
従来の価値体系に縛られる既存の組織の成員は、「まず足元をみよう」とか「自分たちが持っているものをもっとよくしよう」とか「基本に戻ろう」などと言いがちだ。そして、外部で起こっている「破壊的技術」あるいは「まったく新しいビジネスモデル」に敗れ去っていくのが定例だ。
外部の活用だけがトヨタの生きる道
(この項 続く)
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