2018年7月9日月曜日

『ブルー・オーシャン・シフト』は読むだけ無駄? 一作目の「成功企業」は惨憺たる有様: 書評226 (4)

少ない企業事例


 数年前、私は自分が教えるクラスで参加者の社長さんたちに、一作目の企業事例の「その後」を手分けして検証してもらった。一作目で紹介された「ブルー・オーシャン成功例」とされた約30社の「10年後」はそれこそ惨憺たる有様だった。

 唯一、「うまくいっているのではないですか」と報告されたのが、格安理髪店の先駆けとなったQBハウスだった。同社は日本のみならず、海外にも進出して好調な成長を続けていた。「例外もあるんだ」と私は思ったのだが、QBハウスが著者の定義によるブルー・オーシャン企業事例だとすると、やはり違っていたのである。

 ブルー・オーシャンについて著者はいくつかの定義を提言していた。「差別化と低コストを同時に実現する」、あるいは「10数年間競合が出現しない青海原を進むことができる」などである。

 QBハウスは確かにその後も成功していたが、その後を追って格安理髪店は続出した。業界の相場を1500円くらいに下げてしまったという感がある。つまり、競合は追いかけてきたが、QBハウスは独自のサービスやビジネス・モデルなどで成長を続けたということだ。ブルー・オーシャン的に「荒野を独り行く」という状態では、とてもなかった。

(この項 続く)

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