20年に全国1000店舗を狙う
山本氏の視野は、自社グループだけでなく、リユース業界全体にも向けられている。09年には、日本リユース業協会を発足させたが、同協会には競合である上場8社が参画しており、自ら初代会長に就任した。また、山本氏は日本フランチャイズチェーン協会の会長でもある。
数百社のFC本部運営企業が加盟している中で、会長という職を任されている山本氏は、ただの事業家にとどまらない。
ロゴが似ているため、ハードオフとブックオフは資本関係にあるのかと思っていたが、実態は違っていた。両社は創業者が互いに信頼しているため、競合にもかかわらず相互にFC契約を結び、互いのショップを経営する関係だったのだ。今年3月に、ブックオフはハードオフとのFCチェーン契約を解除したが、異例ともいえるビジネス関係の構築からも、山本氏の懐の深さがうかがえる。
山本氏は、今後の目標として「当社は、リユース業界の圧倒的なリーディングカンパニーを目指し、中期目標として20年に全国1000店舗達成(直営とFC合計)」を掲げている。
今後も、リユース業界には追い風が吹くだろう。ネットオークションの普及で、使用済みの品物を売買することに、消費者が慣れていくからだ。市場が急成長していくフェーズでは、トップ企業が一番の利益を得るというのがマーケティング戦略のセオリーだ。
20年というと、山本氏はまだ71歳だ。創業経営者として、元気に同社を牽引していることだろう。そして、そうであれば、同社の中期目標が達成される可能性も大きい。
(この項 終わり)
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