本書の企業再生譚を、私がフィリップス・ライティング社で展開したそれに引きつけて考えてみた。
最大の違いは事業規模かな。本書でのアスター事業部は売上げ410億円、710名とある。私のケースは、回復後200億円、300名。私の方が半分か。
読み始めたとき、モデルが東証1部でというので、規模感が違うのかなと思った。しかしフィリップスの親会社は数兆円規模なのでここと遜色ないどころか、ということだ。
このケースにおける「日本の会社の面倒くささ」は、新しい経営戦略の策定作業と、その導入過程のところで観察できる。私が一人でやったことを何人かで分担して策定しているし、事業部内説得にも時間がかかっている。「徹底的な新しいやり方」を「崖っぷち」で志向している割には「雇用には手を付けない」などと悠長なことも言っている。
とはいえしかし、それらのことは本書の優秀さを大きく損なうものではない。類書が私の作品くらいしか見当たらない状況で、大きな味方を見いだした感が強い。納得感、賛同の方がずっと大きい。
(この項 終わり)
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