本書におけるルメルトの最大の提言は「カーネル」なわけで、それは3つの要素から成る。拙著『超実践的経営戦略メソッド』(下記URL)で私が提唱した「戦略シナリオ・ライティング5つのステップ」とどう対応するのか、対照させてみよう。
http://www.amazon.co.jp/dp/4534048602
ルメルトのカーネル 山田の5ステップ
目標項目はない 1.3年目標設定
1.診断 2.重要課題の選択
状況を診断し、取り組むべき 3つだけ選ぶ。
課題を見極める。
2.基本方針 3.解決策の発見
課題に取り組む、大きな それぞれの課題を
方向性と総合的な方針を。 解決するカードを3枚ずつ。
3.行動 4.派生問題
基本方針を実行するための 解決策で引き起こされる
一貫性のある一連の行動。 問題。
派生問題と対処というアプローチ 5.対処
ではない。 派生問題が想定されるな
それへの対応策を。
戦略立案のためという観点から言うと、ルメルトの「カーネル」は要素の分別が進み切れていない、そして具体性という点で十全ではない、というのが私の観察だ。
本書についての批判は、本ブログでは紙数などなじまないので別の文章で展開したい。ネットのどこかに書き込んだときに、本ブログでその掲出を報告する。
(この項 終わり)
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