2012年7月2日月曜日

「ネルソン・マンデラ私自身との対話」 書評142(1)


明石書店、2012年刊。

巻を開くのにたじろぎがあった。国際関係の分野は、私の興味の分野ではないし、500ページを越える大冊である。経営書を取り上げている本ブログでの書評シリーズとしても異質だ。

本書の構成がまた、異質だ。こんな構成の本は初めて読んだ。南ア大統領かつノーベル平和賞に輝くネルソン・マンデラの自伝、、、かと思ったらそうではない。彼を取りまく種々の資料のごった煮のような体裁である。未刊の伝記の数小節、マンデラが様々な人に出した書簡、彼の伝記を書こうとしている編集者との対話、そして、ノートや年表、登場人物に関する簡単な説明、地図などの資料類。

そのような、一貫していない、そして後に活字として読まれることを予定されていなかった書誌が、マンデラの時間経緯を元に時間的に編集されている、というか並べられている。

それだけの変わった体裁、そしてとても長い、、。しかし、巻を開けば「巻を置く能わず」という表現が思い起こされる。

(この項 続く)

0 件のコメント:

コメントを投稿