ゾゾスーツ、大きな可能性
ゾゾスーツとは、それを着ると自動的に全身採寸できるというスタートトゥディ独自のもので、昨年発表され同社ではプライベート・ブランド、すなわちオーダースーツへの導入ギミックとして無料で配布している。現在までに110万着以上を配布したとしている。同社によれば
「今後1年間の間に600万から1000万着の配布を実現したい」(同社広報部)
とのことだ。
直近の年間購買者数が739万人だったことを考えれば、これはとても意欲的な数字だ。同社としてはこれを実現するために、
「無料なのだが発注を待つだけでなく、ほかの購入商品にどんどん同梱したり、外部とのコラボにより配りまくりたい」(同)
ともしている。
7月31日発表資料では、ゾゾスーツ大量配布などに11.6億円を使用したとある。だとすれば、この画期的なゾゾスーツの1着当たりのコストはわずか1000円くらいとなる勘定だ。739万人の全ユーザーに送付したとして総制作コストは74億円くらい。18年3月期の年間営業利益が327億円の同社にとっては不可能ではない。アントレプレナーである前澤社長にはその覚悟があるのだろう。
しかし、問題は700万着を送付したとして、どれだけの顧客がオーダー・スーツを作るのだろうか、ということだ。ビジネス・スーツの受注件数は7月30日現在、のべ2万2459セットだという(7月31日発表資料)。
これらがすべてゾゾスーツの計測から開拓された顧客だとして、配られたゾゾスーツは110万着に上っている。実オーダーに結びついた数字との乖離はとても大きい。
(この項 続く)
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