海外展開をどうする
・Place (場所)
最後に「Place」。流通経路のことを指すことが多いのだが、ここではあえて「地域」ととらえたい。前澤社長は7月3日、72カ国・地域でゾゾスーツを1年間で10万着無料配布したいと発表した。すばらしい志なのだが、配布した後のビジネスはどう展開するのだろうか。
それぞれの国・地域の潜在顧客は興味を持ったはいいが、それをどのように購買行動に移すことができるのだろう。サイトの言語の問題もあるし、サイトだけを外国語表示にできたとしても、日本から発送するようなことでは現実的ではないだろう。そして、ファッション・ビジネスとしての規模を追うとしたら、やはり各国での地場展開が必要となるだろう。スタートトゥディは国際化への準備はできているのだろうか。
また、ファッションは極めて文化的なもの、すなわち各国の特性の強いものだから、地場のファッション・トレンドをわかっている者が事業展開したほうがいい。このように考えると、ゾゾスーツを配る72カ国・地域での同時発進など、無謀だということになる。国や地域に優先順位をつけるか、パートナーを見つけることができるところを優先するか。ファッション・ビジネスであるZOZOTOWNをITビジネスとして見ると、SNS分野でアジアに強いLINEなどの先行企業の進出先を追っていく、という手もあるだろう。
前澤氏は素晴らしいアントレプレナーだ。近年、プロ野球の買収意欲を示したことや、女優との交際のことなど、ビジネス以外でも話題の経営者だが、日本にもこのようなきらびやかで実績を示すスター経営者がいてもいい。ぜひ素晴らしい「次の一手」を指して、私たちをさらに“うっとり”とさせてほしい。
(この項 終わる予定だったが、もう1回 エピローグが)
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