さらに機能別カンパニーまで、社長の求心力とのバランスはどうなる
「組織は戦略に従う」という有名な言葉がある。経営史学者のアルフレッド・チャンドラーが1962年に著した書籍の翻訳タイトルから有名になった。これをもじって、「組織は規模に従う」という傾向を指摘できる。
初動段階の企業は、その組織形態としては自然発生的に「機能別組織」をとる。業容や規模が拡大していくと事業部別組織を選択することがある。さらにトヨタのように大きくなるとマトリックス型組織に進む、という傾向が観察できる。
しかし、組織形態はあくまで経営者の選択によるものだから、このステップを必ずしも踏むわけでもない。トヨタを見ても、メーカーとしてのトヨタ自動車工業からトヨタ自動車販売が1950年に分離設立されたのは機能別組織を強化する動きだったが、82年には自工・自販の合併により現在のトヨタとなった。
そして大トヨタのなかで、豊田章男社長指揮下ですでに3回目となる今回の組織大変更だ。組織の変更が経営者の意思表明だと私は解説しているが、その時々の状況においての対応最適を目指すのなら、組織体制は停滞していてはならない。
(この項 続く)
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